弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2011年5月12日

フェイスブック

アメリカ

著者    デビット・カークパトリック 、 出版   日経BP社
 
 エジプトをはじめとするアフリカ北部の民衆の立ち上がりはフェイスブックを手段としていると報じられています。実名で交流するソーシャルネットワークが民衆をつなぐ武器となっていることに驚かされます。
 この本は、そのフェイスブックを立ち上げ、今や26歳の若さで世界的大富豪となったマーク・ザッカーバーグを主人公としています。天才のようです。ザッカーバーグは、高校で数学、天文学、物理、古典で優等をとっていた。フェンシングチームのキャプテンでもあった。語学はフランス語、フブライ語、ラテン語、古典ギリシャ語が流暢に読み書きできる。父親は歯科医、母親は精神科医。ユダヤ人である。うひゃあ、すごいですね。信じられません。
 フェイスブックは実在する個人のアイデンティティにもとづいたネットワークである。フェイスブックのユーザーには1人あたり平均130人の友だちがいる。友だち数の上限は5000人となっている。
 フェイスブックは、グーグルに次いで世界で2番目に訪問者の多いサイトだ。5億人のアクティブ・ユーザーがいる。これは全世界のインターネット・ユーザー17億人の20%をこえる。アメリカのフェイスブックのユーザーは1億8千万人、全人口の3割以上。
カリフォルニア州に本拠を置くフェイスブックは、1400人の社員を擁し、2010年の売上高は10億ドルを超えた。
 20歳のザッカーバーグはCEOとして、断固たる決意と優れた戦略的見通し、そして少なからず幸運に助けられて、フェイスブック社の財政的支配権を完璧に握っている。ザッカーバーグは、何度となく巨額の買収申出を拒絶したのでした。
フェイスブックには毎月200億ものコンテンツが投稿される。フェイスブックはインターネット最大の写真共有サイトであり、他を大きく引き離す。ここには、毎月30枚の写真が投稿される。
ザッカーバーグは、同級生、同僚、友だちといった現実世界での知りあいとの交流を深め、スムーズにするためのツールになることを意図した。
 現実の世界で既に知りあいであるメンバー同士の情報共有のツールとして使われたとき、情緒的にも非常に強力な喚起力がある。だから、楽しみを支えることもあれば、苦痛を与えることもある。
 世界を見渡しても、これはもっともアメリカ製であることを感じさせないアメリカ製のサービスだ。
フェイスブックは75の言語で動作し、世界の人口の98%をカバーしている。フェイスブックは、市民と職員とのコミュニケーションを効果的にするツールとして規模の大小を問わず、多くの官庁に支持されてきた。
フェイスブックの社員の中核は20代である。平均年齢は31歳。会社の時価は3兆円とも4兆円とも言われ、ザッカーバーグの個人資産も6000億円を下らない。大変なIT長者です。
世の中が大きく動いていることを実感させられる本です。ちなみに私はフェイスブックを利用していませんし、今のところ利用するつもりはありません。しかし、いずれは私も利用せざるをえなくなるのでしょうか・・・?
(2011年2月刊。1800円+税)

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