弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2010年11月22日

貧乏人が犬を飼っていいのか?

 著者 吉澤 英生、  三五館 出版 
 
 私は犬派です。猫派ではありません。これは、幼いころから我が家にずっと犬がいたからだと思います。猫は飼ったことがありません。子どもたちが小さいころ、柴犬を飼っていました。申し訳ないことに、管理が悪くてジステンバーで死なせてしまいました。罪滅ぼしに、今も納骨堂に愛犬マックスの遺骨を納めて、たまにお参りします。夫婦二人きりになった今は、あちこち旅行をしたいから、犬を飼うのは我慢しています。
 この本を読んで、犬を飼うとはどういうことなのか改めて認識させられました。もっと早くに読んでおくべきだったと反省しました。
 日本で飼われている犬は1232万頭(2009年)。1994年は907万頭だったから、1.35倍も増えている。保健所が殺処分している犬は1970年代には100万頭をこえていたが、今は8万頭にまで減った。私の子どものころは、犬捕りの車が街中をまわっていました。ゴミ収集車のように犬を集めていたのです。もちろん、殺処分するのです。なんだか野犬って可哀想だなあと見ていました。
 小学一年生のとき、同じ市内で引っ越しをしたとき、家財道具を積んだトラックのうしろを走ってきた愛犬がいつのまにかはぐれてしまって、大泣きした覚えがあります。茶色の大型犬でした。写真が残っていますが、長い毛の優しい目つきの犬でした。
「癒されたいから、犬を飼いたいんですけど・・・・」
 経験上、犬を癒しの道具のように思っている人に限って、用がなくなると、犬を捨ててしまう人が多い。癒しとは、一緒につくりあげていくものなんだから、初めから犬に「癒されたい」なんて要求するのは間違っている。そんなワガママに犬をつきあわせないでほしい。うむむ、そうなんですか・・・・まいりました。
 犬に服を着せる必要なんかない。ましてや、靴下なんて、最悪。典型的な「ニセモノの犬好き」でしかない。犬の足元を覆うと、滑ってしまって、うまく立てなかったり、すべったりする怖れがある。
犬は本来、プライドの高い動物なのである。プライドのない犬は、いじけている。あるいは、空威張りしている。プライドの高い犬は褒められ慣れている。だから、犬をきれいに保って、「あなたは可愛いねえ」と誉めながら育てることが大切だ。
 犬のプライドを保つのに何より重要なのは、飼い主の気持ちである。プライドのない人が犬を飼っていて、犬にだけプライドを求めるのは無茶というほかない。犬は、飼い主が世界で一番えらくて、二番目は自分だと思っている。自分の飼い主は誇り高い人物で、その人に飼われているからこそ、自分もまた誇りを子って生きられる。これが、犬にとっての理想の生き方である。
 犬は飼い主が朝、家を出ていくと、再び会えるとは思っていない。だから、夕方、飼い主が帰ってくると、うれしくて、うれしくて、飛び跳ねて喜ぶ。生き別れて数十年も連絡の途絶えていた家族が帰ってきたときの感情に近い。
反面、犬は非常にしたたかである。「ごめんなさい」「かわいそう」という気持ちを持つと、それは必ず犬にも伝わる。犬はしたたかなものだから、すぐさまつけあがる。「あっ、これは何をやっても許されるな」と思って飼い主をなめてかかる。飼い主がなめられたら終わり。これは飼い主にとっても、犬にとっても実に不孝なことである。たとえ犬を間違って蹴ってしまったとしても、「ごめん」と謝るのではなく、しらんぷりする。「そんなところにいたおまえ(犬)が悪い」という態度を平然ととる。そして、二度とあやまって蹴らないようにする。犬に謝ってはダメ。
 犬が悪さをしたとき、我慢する飼い主がとても多い。しかし、それは間違い。我慢するのは、人間ではなく犬の役割。犬には我慢するという役割がある。犬は小さいときに我慢することを覚えさせないといけない。耳掃除や爪切り、そして体を拭いたり、ブラシをかけたり、そのときにはおとなしくしていること。そこで犬が嫌がるそぶりを見せても、途中でやめてはいけない。犬は自分を成長させてくれる人を尊敬して好きになる。賞罰をはっきりつけて、怒るときには怒る、可愛がるときには徹底して可愛がる人のほうになつく傾向がある。
 犬を叱るのは非常に難しい。叱るときにやってはいけないのが、中途半端に叩くこと。
 何回も叩くのも良くない。やるなら一発だけ手がつけられないくらい逆上しているふりをして叩くのが一番効果的だった。
犬をショーウィンドーに入れて展示すると、常に人の目にさらされるので、犬は大変なストレスをかかえてしまう。
犬を抱いたとき、動きが素早くて食欲旺盛で、抱いたとき、しっかりした固い感じがする犬ならいい。ふにゃっとしてたら、生命がないということである。犬は母親を見てから買うこと。犬の性質は母親に負うところが多く、もし母親を見せられないような犬であれば買ってはいけない。
犬は犬以上でも、犬以下でもない。欠点のない犬はいない。
犬が生涯で一番の不安は、お産のとき、やはり誰かにそばにいてほしいと思うことがあるのだろう。
 著者は、自分の店をペット・ショップとは呼びません。ペットショップと犬屋とは異なる。著者の青山ケネルではショーウィンドーのない本屋として有名である。
 犬について、本質的なところを知りました。タイトルはともかくとして、内容はすごくいい本でした。

(2010年9月刊。1400円+税)
 日曜日、年に二度の一大難行苦行がおわりました。フランス語検定試験(準一級)を受けたのです。もう10年以上も受け続けていますので、これまでの過去問を2回繰り返して復習し、「傾向と対策」もみっちり勉強しました。緊張の3時間が終わり、大学の構内を歩くときにはすでに薄暗くなっていて、落ち葉を踏みしめながら帰路につきました。大甘の自己採点によると76点(120点満点)ですから、口頭試問に進めると思います。
 毎朝のNHKラジオ講座は「カルメン」です。朝から魔性の女性に心ひかれる男性の気分にすっかり浸っています。

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