弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2007年8月10日

ヤモリの指

著者:ピーター・フォーブズ、出版社:早川書房
 自然界の生物が実はトンデモナイ能力をもっていて、それを人間が少しずつ模倣し、技術として生かそうとしていることが紹介されています。生き物って、ホント、超能力者の集まりなんですね。
 クモの糸の強度は、軟鋼の半分。だが、鋼鉄の密度はクモの糸の8倍なので、単位重量あたりの負荷で考えると、クモの糸は、鋼鉄の6倍の強度をもっていることになる。それにクモの糸は、伸延性の点でも鋼鉄よりも優れていて、切れることなく30〜40%も伸びる。伸延性はナイロンに比べて2倍、ケブラーの8倍ある。そして、クモの糸の特殊性は、伸延性があると同時に強靱でもあるという点にある。輪ゴムはクモの糸よりもよく伸びるが、引張強度はとても低い。クモの糸は、並外れた伸延性と、高い引張強度をあわせもつ唯一の物質である。
 一匹のクモは、最高7種類までの糸をつくることができる。
 クモは、恐竜の登場する前から、4億年以上にわたって、この世に存在している。
 ヤモリは、片方の手のひら一面にヤモリテープを付けるだけで、人間ひとりが天井からぶら下がることが可能になる。
 ステルス攻撃機は、なぜ、敵から見つかりにくいのか?
 ステルス攻撃機は、マイクロ波を反射しないようにしなければならない。そのため、ステルス攻撃機の形状には、曲線部分が一切ない。レーダーからのマイクロ波を反射してしまうような角度は、一時には、ごくわずかしか存在しない。レーダーに映ってしまうのは金属部分であるが、F117の反射性の機体表面は、たいがいの角度からレーダーにとらえられないようになっているうえに、ステルスの表面加工のおかげで、レーダーの発信信号のほとんどは金属部分に届かないようになっている。
 なーるほど、そういうことだったのですか・・・。それなりに厚味のある機体がなぜレーダーに映らないのか、前から不思議に思っていましたが、ようやく謎が少し解けた思いです。

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