弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2007年2月16日

レバレッジ・リーディング

社会

著者:本田直之、出版社:東洋経済新報社
 読書とは投資活動そのもの。本を読むのは、自分に投資すること。そして、それはこのうえなく割のいい投資である。1500円の本で学んだことをビジネスに生かせたら、元がとれるどころか、10倍いや100倍の利益が返ってくる。
 本を読まないから時間がないのだ。忙しくてヒマがないというのは事実に反している。
 本当は、本を読めば読むほど、時間が生まれる。本を読まないから、時間がない。というのは、本を読まない人は、他人の経験や知恵から学ばず、何もかも独力でゼロから始めるので、時間がかかって仕方ないから。
 ゲーテは、常に時間はたっぷりあるし、うまく使いさえすれば、このように言っている。
 うーん、なるほど・・・、そうなんですよね。
 できるだけたくさんの本を効率よく読むことが肝心。読書をしない一流のビジネスパーソンは存在しない。
 本は自腹を切って買うこと。書きこみをし、よれよれになっても構わない。お金を出すと、元をとってやろうと真剣に読む。
 著者は本を年に600冊ほど購入し、400冊を読む。本代は月に7〜8万円。私とあまり変わりません。私は年に500冊の単行本を読みます。本代も月に10万円ほどになります。ちなみに、夜の巷での飲み代はほとんどありません。ただし、接待・交際費はあります。後輩の弁護士や司法修習生と飲食をともにする機会は多いのです。
 一つのテーマについて、たくさんの本を集中して読むこと。私は、たとえば一つのテーマについて30冊の本を読むようにしています。それは入門書でも何でもいいのです。これくらい読むと、大体のことが分かります。
 著者は朝1番に早起きして風呂で本を1冊読むそうです。とてもマネできません。私はもっぱら移動中の電車や飛行機のなかです。周囲の騒音がほとんど耳に入らないほど集中して本が読めます。片道60分に本1冊というのが、私の標準的なペースです。ちなみに、この本は、電車のなかで15分ほどで読了しました。もちろん、たくさん赤エンピツを引きました。それをたどって、こうやって書いているのです。これを書くのに40分かかります。やはり、読む以上に書くのには時間がかかります。
 速く読むといっても、問題意識をもって読むので、「ん?」と引っかかるところが出てくる。活字のなかで、そこだけ太く、濃く見えるというか、浮き上がって見えてくる。そこで、スピードを落とし、じっくり読む。
 私は、赤エンピツを取り出して、アンダーラインを引きます。
 著者はビジネス書ばかり読んでるそうですが、本当でしょうか。それでは人間の幅が狭くなってしまうんじゃありませんか。私は、いろんなジャンルに飽くことなく挑戦しています。

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