弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2006年5月 2日

平和創造・人間回復、つなげよう、いのち

著者:毛利正道、出版社:合同出版
 団塊の世代の弁護士も元気いっぱい頑張っている。そんなメッセージを伝えてくれる本です。著者はホームページも開設していて、日々、果敢に問題提起をしています。かなりの読者をかかえているようです。ぜひ、あなたもアクセスしてみてください。
 「被害者の母親に叱られた私」という文章に出会いました。著者が45歳のとき、集団リンチにあって息子を殺された親の話を聞いているとき、その母親がバンバンとテーブルを叩いて怒ったのです。著者の態度が共感をもってきいていないという怒りがぶつけられました。つらかったでしょう、そんな気持ちがまるで感じられない、非常に事務的な態度だと非難されたというのです。
 これには、私も思いあたる苦い経験があります。相談者に対して、そんなの無理ですよ、と冷ややかに言い放ったのです。その言い方に相談者からくってかかられました。もっと親身になって話を聞いてくれてもいいではないのか、そんなもっともな苦情でした。私は、なるほどと思い、心から反省しました。あとで苦情の手紙が送られてきました。私は、お詫びの手紙に相談料5000円を同封しました。本当は5000円返すだけでは足りないと思ったのですが・・・。こんな失敗をときどきしてしまいます。人間としての未熟さからです。申し訳ないです。
 著者が強く感銘するのは、日本国憲法が、いつ、いかなるときも、いのちを人の手で奪うことは一切許されないとしている、その哲学。
 軍隊では人を殺す訓練をする。お隣りの韓国にも徴兵制がある。日本は違う。日本は戦後60年間、憲法9条をもち、戦争をせず、国民としては戦争の準備も、人を殺す訓練も受けずにきた。このことが、日本で犯罪による死者が少ない背景となっている。
 私も、まったく同感です。自民党や民主党のいうように憲法9条2項を廃止してしまったら、日本は戦争をする国になってしまいます。
 フツーの人が人殺しするのをあたりまえと思いはじめたら、日本はアメリカと同じように、隣りで殺人事件が起きても平気という、おぞましい国になってしまいます。平気で海外に攻めていって人殺しをしてはばからないアメリカのような国に日本をしてはいけません。

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