弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年10月 7日

E=mc2

著者:ディヴィッド・ボダニス、出版社:早川書房
 アインシュタインがE=mc2 の論文を発表して100年になるそうです。
 光の速さを測定する方法というのを知りました。ガリレオの時代です。ある夏の夜、1マイル離れたふたつの丘の中腹に、それぞれランタンを持った人が立ち、1人がランタンの覆いを先にとり、その光が見えた瞬間にもう1人も覆いをとる。そこで生じた時間差が、光が平地をわたるのに要した時間というわけだ。しかし、この実権はもちろんうまくいかなかった。光があまりにも速すぎることが知れただけで終わった。
 18世紀のフランス。ヴォルテールの庇護者であり愛人でもあったデュ・シャトレ夫人は重りを柔らかな土の上に落とす実験をした。小さな球体を、前に落としたときの2倍の速度で落としたところ、球は土に4倍の深さの穴をつくった。速度を3倍にすると、深さは9倍になった。こうやって、物理学者は、物質の質量に速度の2乗をかけるということに慣れ、その物質のエネルギーを示す便利な指標を手に入れた。これがmc2の源なんですね・・・。
 ナチス・ドイツはノルウェーの工場で重水をつくりはじめていました。その開発を阻止するために、イギリス軍が精鋭をノルウェーの工場へグライダーで送りこんだ。しかし、 30人の若い兵士たちはナチス・ドイツに発見され、全員殺されてしまった。次いで、9人の亡命ノルウェー人が派遣された。今度はなんとかうまくいって、重水の製造工場は爆破された。これによってナチス・ドイツによる原爆開発は阻止されたのだ。
 こんなことがあったなど、ちっとも知りませんでした。

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