弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年6月10日

王の墓と奉仕する人びと

著者:国立歴史民俗博物館、出版社:山川出版社
 いくつか面白いことを知りました。
 古代エジプトの王は犬をペットとして飼っていて、飼い犬が死んだら犬の名前の石碑をたてたお墓を自分のお墓のそばにつくっていた。
 エジプトでは、死者の心臓と真理の女神マアトとを天秤(はかり)にかけるが、心臓が重いか軽いかは問題ではなかった。真理とのバランスがとれるかどうかが重要だった。これがつりあってはじめて、生前、不正な行為をしていなかったことが証明される。それによって死者は再生・復活できる。もし、釣り合いがとれていないと怪物に心臓を食べられ、死者は再生・復活できない。
 奈良県明日香村のあたりには、村人が亡くなると、各戸から女性が1人でて、死者を出した家へ泣きに行く習俗がある。韓国や中国で「哭き女」と呼ばれる女性のいることは知っていましたが、日本にも同じような習俗が今もあるとは・・・。驚きました。奈良に渡来人が多かったことの名残でしょうか・・・。
 卑弥呼について、当時の中国は当初、まさか女性だとは知らなかったのではないかと指摘されています。だから、中国からの使節を卑弥呼に会わせなかったというのです。
 古代には女性天皇が何人もいますが、そのころは男も女も同じ衣服を着ていた。ところが、820年に男性天皇だけが中国ナイズされた衣服を着るようになった。このようにも指摘されています。うーん、そうだったのか・・・。

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