弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年5月27日

心理テストはウソでした

著者:村上宣寛、出版社:日経BP社
 ええーっ、ロールシャッハ・テストとかクレペリン検査って、何の科学的根拠もなかったのー・・・。あまりの驚きで、ついのけぞってしまいました。いったい、これはどういうことなんだ・・・。受けたみんなが馬鹿を見た。サブ・タイトルはそうなっています。マジ、ホントカヨー。いまどきの若者言葉でツッコミを入れたくなる本です。
 私はAB型ですが、だからどうだと言われても困ります。私は私なのですから。だから、この本で血液型で人間の正確が判定できるなんて何の根拠もないインチキな話だと改めて解明されても、私はちっとも驚きませんし、動揺もしませんでした。政治家もマラソン選手もタレントも、みんな血液型分布は日本人の平均的分布と変わらないことが立証されています。ところが、教育評論家・阿部進は血液型を保育に活用するよう九州地区の幼稚園教師研修会で講演した(2004年8月、沖縄)というのです。まったくバカげています。
 さて、ロールシャッハです。1884年、スイス生まれ。37歳の若さで亡くなっています。いまアメリカではロールシャッハ・テストはまったくあてにされないものになっています。ほかの検査なら10分ですむのに、これは平均4時間もかかり、そのうえ、ほとんど科学的根拠に乏しいというのですから、お粗末すぎます。同じようにクレペリン検査も信頼性に乏しいということです。
 この本は、最後に、速読法についてもコテンパンにやっつけています。あれは単なる金もうけの手段にすぎない。賢くなるためには分からない本を読まないといけない。分からない本はゆっくり読まないといけない。賢くなるには速読法は必要ない。
 そうなんです。本が早く読めることを自慢している私も、別に速読法をマスターしたわけではありません。私の興味と関心の度合いで、結果として本が速く読めるというだけなのです。いまも出番を待っている本が机のそばにうず高く積みあげられています。読みたい本がたくさんあるというのは、私にとって幸せなことなのです。だから、特別に意識することなく、自然に本は速く読めるのです。

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