弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年5月25日

野鳥を呼ぶ庭づくり

著者:藤本和典、出版社:新潮選書
 わが家にやって来る野鳥は、キジバト、スズメ、ヒヨドリ。この連中が常連です。キジバトには毎朝エサを与えています。麻の実が大好物です。エサをやるのが遅いと、わざと近くにやってきて、私からよく見えるところでウロウロしています。番いのキジバトが毎日食べていますが、たまに3羽目がやって来ると、たちまちケンカが始まります。結局、3羽目は追っ払われてしまいます。丸々と太り、いかにも肥満気味のキジバトになっているのが申し訳ないという気分です。毎日エサを与えても、手乗りとまではいきません。お隣りの奥さんには肩にとまったりしていますが、私には1メートル以内の接近は絶対に許してくれません。
 スズメはわが家の軒下に巣をつくっていますが、ハトと違って警戒厳重で、私を見ただけですぐに逃げ出します。いつも20羽近くがやかましくチュンチュンさえずっています。ヒヨドリも甲高い声を出しながら飛びまわり、うるさいほどです。植物の実は食べませんので、キジバトのエサには近づきません。私がときどきミカンやリンゴを桜んぼの木の枝に差しておくと美味しそうに食べています。サクランボが色づくと、あっというまに食べ尽くしてしまいます。ちょっと前までは私と競争していました。サクランボの実は色はとてもいいのですが、甘さがもうひとつ、なのです。それで3年前から競争はやめてヒヨドリのエサにしています。甘く色づくまではヒヨドリも食べません。酸っぱい夏ミカンのようなものもヒヨドリは食べません。リンゴも切ったばかりのものは固いし、甘さが足りないようで、少しやわらかくなったところでヒヨドリはついばみ始めます。このときは、私が1メートルほど近くに寄っていっても逃げません。それほど美味しいのでしょう。
 リンゴやミカンを木の枝に差しておくとメジロもやってきます。目のまわりが白いので、まさにメジロです。梅の花が咲いたときにも蜜を吸いにやってきます。メジロは周囲をすごく気にしていかにも気ぜわしく蜜を吸います。キジバトほど大きくはありませんが、スズメをひとまわり大きくしたツグミもやって来ます。こちらは虫を食べています。庭をチョンチョンチョンと跳ぶようにしてかけまわって虫を食べています。
 庭仕事をしていると秋から冬にかけてはジョウビタキがやって来ます。ほんの1メートル先あたりに止まって、尻尾をチョンチョンと上下させ、ジッジッと挨拶してくれます。とっても可愛らしい鳥です。虫を追うというより、人間の顔を見て、「何してるの?」と覗きこむ感じなのです。
 白と黒のツートンカラーのカササギが、うるさい声を出しながらすぐ近くを飛びまわっています。朝鮮半島から日本に渡ってきたというのですが、ドイツでも見かけました。近くの電柱の上に大きな巣をつくっています。そのうち九電の職員にとり払われてしまうのかと心配しています。こちらは肉食です。先日は、ツグミみたいな鳥を2羽のカササギが路上で騒々しく食べている現場を目撃してしまいました。
 わが家の庭のすぐ下は田んぼです。スズメの大きさで黄色い小鳥たちの群れが一斉に飛びたつのを見かけました。カワラヒワです。太く白いくちばしをもっていて、雑草の種子を食べるそうです。
 春になると姿を見たことはありませんがウグイスがやってきます。春一番は、いかにも慣れず下手な歌です。でも、だんだん歌はうまくなっていきます。私はいつもトイレの窓からウグイスの鳴き声を楽しんでいます。
 この本によると、シジウカラは、1年間で12万5000匹の毛虫を食べるそうです。すごいものです。野鳥が来ると庭も生き生きしてきますし、何か人間まで楽しい気分になってくるのです。毎日のエサ代も、そう考えたら安いものです。野鳥が伸び伸びと遊ぶ庭づくりを私も目ざしています。そのつもりで、庭の木に巣箱を2つくくりつけてみたのですが、2年近くになるのに、どちらも利用してくれません。よく見えるのを嫌ったのでしょうか・・・。残念です。

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