弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年4月28日

福祉工学の挑戦

著者:伊福部 達、出版社:中公新書
 カエルの眼の機能はミサイルの発射装置に利用されている。カエルの眼は静止しているものには反応しないが、動いているものには敏感に働く。ミサイル発射装置は飛んでくる飛行体をいち早く探知しなければならないからだ。
 ハエの舌はラジオのFM装置と同じ機能をもっている。ハエの舌からは一定の周波数をもった電気信号パルスが常に出ている。ハエの舌に甘いものが触れると急にパルスの周波数が高くなる。甘さの度合いによって周波数の高さが異なる。信号パルスの振幅を変化させず、周波数を変えて情報を伝えるのは、FM装置と同じ。
 福岡に天才的なインコがいた(今もいるのかな?)。鉄腕アトムやどんぐりころころなど20種類の歌がうたえ、笠地蔵や般若心経などの長文も話せる。
 人はヘリウムを吸うと、誰でもドナルドダッグのような声になる。これは、ヘリウムが窒素に比べて軽いため、音速が速くなり口のなかでの共鳴音が高くなるから。
 聾は社会活動をするうえで、また人間がものを考えるうえで必要な音声という道具を失うことになる。その意味では盲より聾の方が不自由である。これは三重苦のヘレン・ケラー女史の言葉。
 身体に障害をもつ人に役立つ技術の開発はどんどんすすめてほしいものだ。ところで、男と女で声の質が違うのはなぜなのか、以前から疑問を抱いている。どうしてなのか、その理由を知りたい。誰か教えてくれないかしらん・・・。

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