弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年1月20日

性転換する魚たち

著者:桑村哲生、岩波新書
 サンゴ礁でふつうに見られる魚たちの多くが性転換する。メスがオスに変わったりするし、またオスがメスに戻ったりもする。
 オスからメスへの性転換に最短24日、メスからオスへは最短27日かかる。性の変わりやすさは、どちらの方向でも違いはない。
 大メスがオスに、小オスがメスに、両方とも性転換してしまう魚がいる(ホンソメワケベラ)。社会的地位で性は決まる。
 哺乳類などが性転換しないのは、そのコストが大きすぎるから。魚類は水中で体外受精できるのに対し、陸上にすむ哺乳類は空気中に精子を放り出すわけにはいかず、交尾によって精子をメスの体内に送りこまなければならない(体内受精)。そうすると、交尾器(生殖器官)の構造がオスとメスとで大きく違ってくる。この体構造の性差が大きくなればなるほど、性転換するための時間とエネルギーのコストも大きくなる。利益よりもコストの方が大きいと性転換しないほうがよい。水中にすんでいる魚類でも、交尾器の性差が著しいサメやエイなどは性転換しない。
 うーん、オスとかメスとかいっても、決して固定的なものではないという。どうなってんだろうか・・・。

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