弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年12月22日

絵で見る幕末日本

著者: エメェ・アンベール、出版社:講談社学術文庫
 江戸時代の末期にやってきたスイス人による絵入りのレポートです。スイス時計業組合の会長であり、自由主義的な参議院議員でもあったということです。
 写真のかわりに、いかにも細密な絵を描いていますので、写真と同じほどのインパクトがあります。
 中産階級の欠如は、日本の農村に貧相な風景を与えている。
 親切で、愛想のよいことは、日本の下層階級全体の特性である。
 日本には、香気のある植物、また、歌う小鳥がきわめて少ない。
 日本人に認められる表情の活発さと相貌の多様性は、自主的で独創的で、自由な知的発育の結果である。
 日本人は、シャツとズボン下を着ないが、毎日、入浴している。
 江戸の町人は、武器を取り上げられて、武士の主権の下に屈従させられているものの、見たところ自由に、あらゆる便宜さを享有しながら生活している。
 なんだか、今も通じる指摘ですよね・・・。

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