弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年12月 7日

香三才

著者:畑正高、出版社:東京書籍
 匂いは格別なものがあります。夏休みに田舎の叔父さんの家にいったとき、稲ワラの山の乾いた匂いに、なんとも言えない安らぎを感じたことを思い出します。
 匂いは、記憶と強烈に結びついています。うーん、どこからか、いい匂いがしてきた。美味しそうな匂いだ。あっ、今日はカレーライスだ・・・。
 線香は江戸時代のはじめに中国から入ってきたそうです。夏の庭作業には釣り蚊取り線香が欠かせません。
 織田信長が、1574年(天正2年)に正倉院の御物「蘭奢待」(らんじゃたい)を切り取らせた事件は有名です。でも、信長だって、ほんの少ししか切り取ったわけではありません。明治天皇も切り取らせているそうです。
 沈水香木(沈香)は、天然の木質香料。今でも人工的な合成はできません。南国の熱帯雨林に自生するジンチョウゲ科アキラクア属と呼ぶ木の樹脂が自然に沈着したものです。
 匂いあわせと称して、同じものかどうかをあてっこした遊びがありました。いかにも優雅な遊びです。現代人は、そんな遊びの心を喪ってしまったようです。

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