弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年11月 5日

陶磁器の修理うけおいます

著者:甲斐美都里、出版社:中央公論新社
 お皿やお茶碗やお人形さんなど、陶磁器が壊れてしまった。さあ、どうする・・・。そんなときの頼もしいお助けマン(いや、ウーマン)がいます。
 修理と修復という言葉に違いがあるというのを初めて知りました。修復は、用途は別にして、壊れた陶磁器の外観を元の状態に戻すこと。修理は、壊れた陶磁器を、外観は別にして、元通り使える状態に戻すこと。つまり、両者はまったく似て非なるものなのです。
 そして欧米では修復が常識です。ですから、元通りに使うことは念頭にありません。ですから、何度でも修復可能な程度にとどめるのが理想形なのです。
 もちろん、日本はそうではありません。修理したものは、一見してそれと分かっても欠損品としての二級品扱いされないどころか、むしろ「格が上がった」「景色がついた」として評価が上がることさえあるのです。この点は、欧米人の常識には絶対にあいません。
 中国映画の『初恋の来た道』(私の絶対のおすすめ映画です。まだ見ていない人はDVDを買って、ぜひ見てください。決して損はしません。見終わったとき、心がホンワカ温まっていること間違いありません)では、お皿の欠けたのを直してくれる行商人が出てきますが、少し前まで、日本でも同じような行商人がいました。
 日本の修理には漆(うるし)と金箔をつかいます。日本で使う金箔はなんと厚さが1万分の1ミリです。手にとってすりこむと肌の中に消えてしまうほどの薄さだそうです。だから、ハケのようなもので扱います。
 なるほど、なるほど、と思いながら読みました。

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