弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年9月 1日

国会入門

著者:浅野一郎、出版社:信山社
 実は、国会議事堂のなかに、残念ながら、私は一度も入ったことがありません。首相官邸には3回入ったことがあります。議員会館の方は、衆参両院とも、何度もありますが。
 テレビで中継される国会の審議状況だけでは、国会の本当のことは分かりません。この本は、初心者にも国会とは何か、国会議員や秘書がどんなことをしているのかを分かりやすく解説してくれています。国会全体が見渡せる総合的な入門書としては、よくできていると思いました。
 公職選挙法は、現職有利、政権党(与党)有利な「べからず集」だということも、よく読めば分かります。私は戸別訪問の禁止は時代錯誤だと思うのですが、この本でも、「戸別訪問を禁じているのは、選挙民つまり国民を信用していない戦前の選挙観の名残りともいえる」と指摘しています。
 日本の投票率が6割を切っているのは、マスコミが政治不信をあおり、棄権を美化するからだと思います。投票率が7割から8割になったら、日本の国会は劇的によくなることでしょう。
 国会議員の年収は3350万円。このほか、政党助成金があり、受けとっていない日本共産党議員のほかに対して、1人あたり4360万円も支払われています。政党助成金の実態は不明だとこの本も指摘していますが、本来の歳費よりも多い「副収入」というのには改めて大きな疑問を感じます。
 日弁連執行部にいたとき、私もその一員として国会議員対策を1年間ほどやりましたが、朝8時からの朝食会が連日のように開かれているのを知り、驚きました。国会議員は早朝から動き出すものなのです。夜の赤坂料亭だけで政治は動いていないので
すね。
 国会審議が全部テレビで中継されるようになったらもっと活性化するのではないでしょうか。相撲や野球・サッカーの実況中継以上に、それは国民に知らせるべき内容だと思うのですが・・・。

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