弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年7月 1日

今やらんとあかんのや

著者:岡本健、出版社:PHP研究所
 裁判官をやめて料理人になった人がいるという話は聞いていました。大阪に、とんでもない変人がいるという話でした。大阪高裁の刑事部の裁判長が定年(65歳)を待たずに、60歳で裁判官を辞め、弁護士ではなく、小料理屋の店主になったのです。それも、元の職場のすぐ近くに店を構えての再出発です。
 この本を読むと、著者の真面目な、どちらかというと融通の利かない人柄がよく分かります(もちろん、私は会ったことのない人ですので、想像でしかありませんが・・・)。
 父親は弁護士でした。著者は妻とうまくいかず、20年も別居生活でした。その間、2人の子どもを育てあげたというのですから、えらいものです。裁判官を辞めて料理学校に通い、調理学校では卒業生のトップ賞であるゴールデンアカデミー賞をもらっています。20歳前後の著者にまじって初歩から謙虚に学ぶ姿勢が高く評価されたのです。
 店を開くまでに投資したのは2600万円といいます。今は客も減って赤字のようです。それでも、第2の人生を明るく前向きに生きている様子が爽快感を与えてくれます。規則正しい生活を習慣づけているというのは私もやっていることですが、何かをやろうとするときには不可欠です。睡眠時間は平日は3〜4時間といいます。それでも、朝はすっきり目が覚め希望にみちた気持ちで起床できるのです。寝ているのはもったいないという気持ちなのです。私も同じです(ただし、私の睡眠時間は7時間です)。あれもしたい、これもしたいと思うと、布団のなかにぐずぐずなんかしておれません。
 ゲーテの言葉に、人間は努力する間は迷うものだというのがあるそうです(『ファウスト』)。いい言葉ですね。本当に、そのとおりですよね・・・。

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