弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年7月 1日

徹底解剖100円ショップ

著者:アジア太平洋資料センター、出版社:コモンズ
 100円ショップ主要5社の売上合計は3836億円(2002年度)。赤ちゃんから寝たきり老人まで、すべての日本人が年間1人30個を買ったことになる。97年度は660億円だったので、5年間で5.8倍になった。なかでもダイソーは68%のシェア率を誇り、一人勝ちしている。
 ダイソーの矢野博丈社長は、ダイソーを株式上場しない理由を次のように述べている。上場すると、数字をオープンにさらけ出して、丸裸になる。お客様が、ダイソーは損して売っているのかと思っていたのに、利益も出ていると思ってしまったら、買い物の楽しさが減ってしまう。気の毒に、こんなもの100円で売って、かなり損しているんだねと思われる方がいいんだ・・・。しかし、実は、100円ショップの粗利益は平均32%で、これは一般専門小売店の27%に比べて明らかに高いのです。100円ショップで売っている商品の仕入原価は1円から120円まで。それでも、衝動買いが多いから十分に成り立ちます。大量仕入れ・大量販売。たとえば賞味期限が残り1ヶ月のものを仕入れる。100円ショップ用に製造した商品を直接仕入れる。10万から100万個単位を現金仕入れするから安くなるのも当然。仕入れの基本は10万個で、これを3ヶ月で売りさばくのを原則とする。広告・宣伝費はゼロに近い。
 ダイソーの従業員は1万人いるが、正社員は、わずか400人。パートの比率は94%。店長以外はパート・アルバイト職員。
 海外に続々「100円ショップ」を展開中だが、実態は在庫処分ではないか。日本の倉庫費用はばかにならないので、家賃の安い途上国にもっていって売りさばこうというもの。常に新製品をうみ出し、お客さんあきられないようにする。原産国は中国46%、台湾10%、韓国12%そして日本は15%。東南アジアから安く仕入れているが、「搾取」という概念では割り切れない現実がある。
 「100円ショップ」が街角の目立つところにある現在、その背景についていろいろ考えさせられる本でした。

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー