弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年6月 1日

黒いスイス

著者:福原直樹、出版社:新潮新書
 ルツェルンに家族で1週間泊まったことがあります。白鳥の泳ぐ静かな湖に面したプチ・ホテルに泊まり、心穏やかに過ごせました。毎夏スイスへ出かけ、3週間も滞在している久留米の大脇弁護士の紹介でしたが、今も感謝しています。
  この本はスイスの影の部分を暴いています。ロマ(ジプシー)を根絶やしにするため、子どもを誘拐して親と切り離し、定着させるようにした。ユダヤ人がドイツでナチスの絶滅政策の犠牲になっていることを知りながら受けいれを拒否してドイツへ送り返していた。核武装も試みていた。外国人にスイス国籍を与えるかどうか住民投票で決めることにしていて、たとえばトルコやユーゴの人々は拒否した。スイスの銀行はマネーロンダリングで巨額の汚れたお金を受けいれている。
  みんな事実そのとおりだと思います。でも、いったい日本人にスイスを非難できる資格があるのでしょうか・・・。私には、それが疑問です。

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