弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年6月 1日

アメリカは恐怖に踊る

著者:バリー・グラスナー、出版社:草思社
 アメリカは怖い国だと私は考えています。そうなんです。いいですか、アメリカでは200万人が刑務所に入っているんですよ。1990年に比べると、なんと2倍増なんです。アメリカ国内には2億5000万挺の銃があり、銃撃によって年間2万8000人が死んでいます。こんな現実を知らされて、恐怖におののかない人がいるでしょうか?
  しかし、と、この本は語ります。アメリカは怖いところだとマスコミや学者が過度に言いたてている現実があることを見抜くべきだ、というのです。
  アメリカでは毎年80万人以上の子どもが行方不明とされています。しかし、と著者は言います。行方不明の子どもたちの実態は、親による虐待から逃げた、別居中の親から連れ去られた子どもというのが大半であって、家族以外の他人に誘拐されたりした子どもは、年に200人ほどしかいない、だそうです。200人は果たして少ないのでしょうか。
  いえ、私も、恐怖をあおる人々の尻馬に乗って騒ぎたてるのはやめようという指摘に、少しばかり反省はさせられました。ゴメンナサイ・・。

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