弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年3月 1日

めざせロースクール、めざせ弁護士

著者:宮澤節生、出版社:阪急コミュニケーションズ
 私が受けた30年前の司法試験受験生は2万人でした。うち500人が合格。2003年は出願者が5万人をこえました。2002年の受験者は4万1459人。合格者は1183人です。今年の合格者は1500人ですから、私のときの3倍です。それでも、5万人の受験生ですから、合格率はともかくとして、実質的には昔より難しくなっていると思います。受験者が多いということは、それだけ優秀な人が受けるようになったことを意味しているからです。
 金もうけがしたかったら弁護士はやるべきでない。有名な久保利英明弁護士がこう言っています。日本有数の高額所得者である弁護士が言うのですから、間違いありません。私もそう思います。ビジネスと割り切る人にとって、弁護士は手間ヒマのみを考えたら決して割のある仕事ではないのです。
 この本には、ニューヨークにある500億円もする高層ビルの売買や1機200億円のジャンボジェット機のリースを扱う弁護士の話も出てきます。九州の片田舎で仕事をしている私のような弁護士にとってはまるで別世界の話です。でも、そんな巨額の事件を扱わなくても、人それぞれです。やり甲斐のある事件は片田舎にもたくさんあります。私は、地道に人権と民主主義を大切にする弁護士として活動していくつもりです。

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