弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年3月 1日

日本の神々

著者:上田正昭、出版社:大和書房
 『先代旧事本紀』(せんだいくじほんぎ)の復権というサブタイトルがついています。つまり、偽書とされていた『先代旧事本紀』の資料的価値は高いとして、その見直しを求めた本です。たしかに序文は史実にあわず、信用できないが、本文の方は物部氏の歴史などの史実を反映しているとしています。
 「古事記」と「日本書紀」のつくられたのはわずか8年の違いしかないが、両者はまったく目的を異にしている。「古事記」は太安万侶が1人で書いたけれど、「日本書紀」の方は、当時の王族や官僚が委員会のようなものをつくって大勢で書いたもので、中国・朝鮮からの渡来人の筆も加わっている。しかも、「日本書紀」については、輪読会が平安時代だけでも6回なされるほど、影響力は絶大だった。
 天皇の三種の神器といっても、剣とハンコは御神体扱いはされておらず、御鏡のみが祀りの対象とされている。物部神社は全国的にあるが、その場所を見ると、ヤマト朝廷が地方を平定しに行くとき、剣をもった物部氏が行って武の神さまを祀り始め
る。いわば、物部神社は前進基地のようになっていた。
 聖徳太子が随の煬帝に出した手紙について、日本を「日出ずる処」と称して、中国を「日没する処」としたから怒ったとされているが、実はそうではなく、煬帝は東夷の王が「天子」と称したことに怒ったのだ。「日没する」ことを中国がいやがったとは考えられない。
 古代史もまだまだ解明されていないことは多いようです。

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