弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年2月 1日

林檎の礼拝堂

著者:田窪恭治、出版社:集英社
 ノルマンディー(フランス)にある荒れ果てた小さな礼拝堂を、私と同年輩の日本人画家が再生させていく過程が活写されています。40歳のとき、男の子3人をふくめて家族とともにフランスの片田舎に移り住み、10年かかって礼拝堂、そして壁画を完成させたというのですから、感嘆するばかりです。そして、その礼拝堂が実に見事なのです。採光のため屋根をガラス瓦にしたり、ライトアップの工夫など、神々しいばかりの礼拝堂に生まれ変わっていく有り様が写真で刻明に紹介されています。写真を眺めるだけでも心を洗ってくれる気がします。ぜひ一度、フランス現地に行ってみたいと思わせる本でした。シードル(カルバドス)の美味しい地方です。

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