弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年1月 1日

よく生き、よく笑い、よき死と出会う

著者:アルフォンス・デーケン、出版社:新潮社
  自分にできることならベストを尽くすが、そうでないことについては、思いわずらわない。これが私の人生の原則。
 「思い悩むな。空の鳥をよく見なさい。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」(マタイ福音書)
 ほとんどの人間が未開発のままの潜在的能力をたっぷり持っている。この潜在的能力の可能性を開発することが、平凡な人生の危機を乗り越えるための最良の応戦方法だ。人生の危機的状況というのは、ある意味で私たちの潜在的能力に対する挑戦なのだ。挑戦には応戦しなければならない。
 時間意識の大切さ。ギリシア語では時間の概念をクロノスとカイロスに区別する。クロノスは川の流れのように過ぎ去っていく日常的な時間のこと。カイロスは二度と来ない決定的な瞬間をいう。時間の貴重さを意識して、カイロスという唯一の機会をしっかりつかむことができれば、人間として一段と大きく成長することが可能になる。
 人間は永遠への旅人である。旅は心の自由をうむ。旅をすると、人に出会う。出会いによって、人間の視野はいっそう広く深くなっていく。
 上智大学のデーケン教授の最終講義をもとにした本です。味わい深い内容が平易な言葉で語られ、心に深く感銘を受けました。

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