弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年11月 1日

自分の時間

著者:アーノルド・ベネット、出版社:三笠書房
 1日24時間でどう生きるか。こんなサブタイトルがついています。そうです。時間は何もしなくても過ぎていきます。団塊世代の私にとって、学生時代はもう30年以上も前のこと。今や定年後をどう過ごすのかにみんなの関心が集まっています。企業戦士と呼ばれ、仕事人間として24時間を仕事に、そして会社(官庁)にささげてきて、今や、そこから放り出されようとしているのです。職業としての仕事以外に何かをやりたいという欲求は、ある程度精神的に成熟した人たちにとって共通するものである。書物の助けなくして、何かを正確に学ぶことはできない。人生とは、すなわち好奇心である。知識欲というのは、知識が増えれば増えるほど大きくなっていくものである。
 習慣を変えるには、なんらかの犠牲と、強固な意志の力が必要だ。私はテレビを見ませんし、一切の見るスポーツには縁がありません。芸能人の動向にも関心がありませんし、週刊誌もマンガ本も原則として読みません。カラオケも夜の二次会も時間のムダとしか思えないので行きません。もちろん、ゴルフもお断りです。お金を貯めているからではないのです。すべては自分の時間を確保するためです。本を読み、モノを書くには、時間がいくらあっても足りません。考える時間が必要なのです。ダラダラ会議のときには、黙って自分の仕事に没頭します。もちろん、ときどきは、無為に流れる時間も必要です。今日も、見晴らしのいい山頂で、寝ころがって雲の流れていくのをじっと眺めていました。50代も半ばになりかかろうとしている今、自分の時間はかけがえのない貴重な宝物です。

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー