弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年10月 1日

リンボウ先生の書斎のある暮らし

著者:林望、出版社:知恵の森文庫
 林望先生は自宅地下に22坪の書斎をもっているそうです。1万5千冊入るので大丈夫のつもりだったようですが、既に満杯とのこと。私も小さな書斎をもっていますが、本格的な書庫まではもっていませんので、うらやましい限りです。知的生活を送る人は、やはり本は極力保存すべきだという考えに同感します。ニュースをテレビだけで観ている人には批判が育たない。テレビの記者なりデスクなりが一定の考え方のなかで取捨選択して一定の枠をはめた(かなり窮屈に誘導された)考えしか出てこないのがテレビというもの。そこには手垢のついたニュースしかない。少しずつでも毎日継続していくと絶対力になる。何事も10年やれば、ものになる。私も30年間、毎日ラジオ講座を続けて聴いてフランス語が分かるようになりました(この夏、ついに仏検の準一級に合格!)リンボウ先生は常にワイシャツの胸ポケットに80円のペンとスパイラルメモ帳を入れている。メモ帳は動く書斎。地道な仕込みがあって、ものを書ける。
 私も、ポケットにいつもメモ帳を入れ、極細の水性ボールペンと赤エンピツを手離しません。自動車を運転中でも、メモ用紙とサインペンを助手席に置き、信号停止中に書きつけるようにしています。 忙しいからこそ趣味が必要となる。仕事で疲れた神経を鎮める力として、全然違う神経を使うカウンターパワーが必要になる。趣味がないということは、その人の人間性が乏しいということにほかならない。リンボウ先生は私と同じで二次会には一切つきあわないということです。世の中には、そんな変人が多いことを知って、改めて安心しました。

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