弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年8月 1日

変わる家族、変わる食卓

著者:岩村暢子、出版社:勁草書房
 ショッキングな本です。日本民族の食習慣がダメになりつつあることが実感させられます。これでは日本女性の長寿世界一の座も、いつまで維持できるか不安です。
 食費はやりくり次第なので、節約してお金は他のことに使いたいという主婦が一般的。
 食べることに関心なし。料理に手間暇かける気分になるような時間はない。同じ食卓を囲みながら、他の家族の食べているものに、子どもも親も無関心になっている。妻が家庭でつくった夕食メニューが何であろうと、「その日、自分が食べたいもの」をコンビニで買って帰り、自分は食べたいものを食べる夫が増えている。
 食は文化です。フランスのブリア・サヴァランの有名な言葉、「どんなものを食べているか言ってごらん。あなたがどんな人物か言ってみせよう」。
 どんなものを、どこで、どのようにして食べているかは、人間としての存在そのものに深く関わっているものです。私は、マックもケンタも、そしてコンビニもホカ弁も無縁の生活を送ってきました。本当に日本人の食生活はこれでいいのか、深く考えさせられる本です。一度、ぜひ手にとって読んでみて下さい。

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