弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年5月26日

カヤネズミの本

社会


著者  畠 佐代子 、 出版  世界思想社

 かわいいネズミの話です。いえ、家の中をうろちょろするイエネズミではなく、水辺に棲息する小さなネズミです。
 カヤネズミは小さくて軽いので、バッタのように草の葉の上に乗れる。胴体の長さは6センチ。尾の長さは7センチ。尾が長いのが特徴で、体重は7~8グラム。
 寿命は半年から1年ほど。人間が飼育すると、最長3年。でも、素人が飼うのは難しい。
 雑食性で、イネ科の種子や昆虫を食べる。天敵は、ヘビやカラス、モズ、イタチやネコなど、たくさんいる。
 カヤネズミの骨の重さは、体重の5%で、鳥と同じくらいに軽い。カヤネズミは、草の上で子育てをする。
 カヤネズミの巣は、草の上につくる。カヤネズミは、葉を植物から切り離さずに編む。巣は草だけで作られる。球形に近く、巣穴は小さい。これに対して、鳥の巣は、別の場所から巣材を運んできて、草に架ける。「編む」と「架ける」とは違う。
カヤネズミは夜行性で、夕方から明け方にかけて活発に活動する。日中は巣のなかで休息している。
カヤネズミの子育ては、巣作りから子のケアまで、すべてメスのみで行われる。
子どもは生まれて17日から19日目に、育った巣を離れて巣立ちする。カヤネズミは危険を感じると、その場にじっとして動かない(フリーズ)習性がある。この習性は、空から襲う敵、モズやカラスなどの鳥類から身を守るのに役立つ。それでも危ないと思ったら、草の上から飛びおりる。
 カヤネズミは、イネに付くバッタやイナゴを好んで食べる。だから、カヤネズミはイネにとって、多少は良い働きをしている。
 土手をコンクリートで固めてしまう護岸工事がされると、カヤネズミは生活できない。絶滅危惧種になりつつあるカヤネズミの生存できる環境を守るのは、人間にとっても大切なこと。
 それにしても、カヤネズミの顔って、可愛らしいですね。これからも、ヘビに注意して観察を続けてくださいね。
(2014年2月刊。2200円+税)

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