福岡県弁護士会コラム(弁護士会blog)

2016年11月号 月報

ITコラム 「クラウドの必要性?」

月報記事

IT委員会 関口 信也(53期)

1 クラウドとは

IT関連広告で「クラウド」を耳にすることがあります。このクラウドは英語の意味では「雲」ですが、IT分野で使う場合はインターネットを利用したネットワークの意味です。なぜ「雲」なのかは定説はありませんが、ネットワークを図説するときに、雲状のものをつなげたことによるとの有力説があります。

このクラウドをより簡単に説明するならば、大切なデータを個人のパソコンや携帯端末に保管するのではなく、インターネットを利用して、外部に蓄積することです。個人のパソコンが壊れた、持ってきていない、必要とする情報量が多すぎるなどの不便な状態のときに、身近な端末を利用してインターネット接続で、データの閲覧・編集などができるようになります。Gmailなどもクラウドを利用したメールサービスと言えます。

2 サーバーはどこにある?

ところで、最近は法律事務所の多くがホームページを持つようになりました。

ある業界雑誌のアンケートでは、法律事務所のホームページ所持率は40%とのこと。そのURLに使う文字の配列をドメインと言いますが、事務所や個人の名前を設定することが多いですね。つまり独自ドメインを使っていることになります。独自ドメインを設定するときに、その元になるのがサーバーです。外部のサーバーを利用することはクラウドに似たものとなります。

3 クラウドのメリットとデメリット

クラウドを利用すると前記のとおり遠隔操作が可能ですが、そのほかにもサーバーやソフトの購入、その維持管理が不要となり、コストが低減できます。

逆に不安なのはサービスの安定稼働とセキュリティです。ネットの不具合、提供会社側の障害発生や人的アクシデントは、利用者側ではどうしようもありません。十分な対策が講じられた提供会社を選ぶべきでしょう。

クラウドを利用する事務所はまだ少ないと思いますが、外出の多い弁護士やチーム弁護の場合には大いに活用の場面が増えます。瞬時にクライアントの要望する資料が出せることは、事務所の営業にも役立ちます。これからはさらにIT技術が進みますから、デメリットを克服したネットワークが完成すると私は期待しています。もちろん現状においても、法律相談用の知識としてクラウドを知っておくべきでしょう。

  • URL

あさかぜ基金だより・番外編 ~徳之島より戻ってきました~

月報記事

会員 今井 寧子(64期)

元・あさかぜ所員の今井(小池)寧子と申します。平成23年12月の弁護士登録と同時にあさかぜ基金法律事務所に入所しました。その後、平成25年8月1日より鹿児島県の徳之島に赴任し、3年の任期を終え、この度福岡に戻ってまいりました。どうぞよろしくお願いします。

初めての徳之島

忘れもしない、平成25年7月31日、私は生まれて初めて徳之島の地に降り立ちました。その年は、後に奄美群島全体で雨乞いをするほど晴天続きの日々で、私が徳之島に着いたときにも青い空と青い海、ギラギラと輝く太陽に迎えられました。その輝く太陽に負けないように私もこれからこの地で輝こうと決意を新たにしたものでした。一方で、徳之島(子宝)空港に降り立ったときに、青い空などの次に目に入ってきたものが、「全国闘牛サミット」なる横断幕であり、これからの生活に一抹の不安を覚えたことはここだけの秘密です。

平成25年8月1日、法テラス徳之島法律事務所は、無事に開所の運びとなりました。奄美群島における2大地元紙である南海日日新聞と奄美新聞に取材に来ていただき、翌日には、奄美新聞ではなんとカラー写真付きで1面を飾りました。

その後、なぜか私の両親も出席し、なんだか結婚式の披露宴のようになってしまった開所式があったり、初めての島での台風を経験したりしながら(大変恐ろしい経験でした。)、徐々に徳之島での生活にも慣れていきました。

徳之島での活動

徳之島は、8つの有人島からなる奄美群島のうちの一つであり、人口2万5000人ほど、主な産業は農業(サトウキビ栽培)という(ちょっぴり賭け事も好きだけど)のどかなのどかな島です。

そんな徳之島での活動を少しご紹介します。

一番の思い出は、やはり「初めての管財事件」です。徳之島に赴任して比較的早い時期に依頼を受けたのですが、本当に何もかもが初めてだったので、軽くパニックでした。にもかかわらず、私の主な任務は、闘牛用の牛の査定、その牛に価値があるのであれば換価すること、という困難を極めるものでした。なんと、私は、闘牛牛の管理者になってしまったのです。ひとまず、その牛を見に行かねばなりません。牛小屋をたずねると、大きくて、黒い牛が「ぶもももも」と鳴いています。その牛は、800キログラムあるそうなのですが、それでも、階級は軽量級。大きい牛は1トンを超えるそうです。なお、闘牛用の牛の価値は、牛同士で喧嘩をさせてみないと分からず、勝数が多くなればなるほど、その価値は上がっていき、100万円を超える価格で取引されることもあるそうです。一方で、勝てない牛はただの牛。それどころか、食用の肉としては、筋肉ゴツゴツで、そう美味しいものではないので、2、3万円の価値しかないそうです。うんうん、勉強になりますね!

その他、「先生からは都会の香りがする」とお客様に言われてしまうほど都会育ちの私には、特に土地問題等では慣れないことも多かったですが、色々な方々の助けもあり、なんとか3年の任期を終えることができました。

徳之島とあさかぜと

紙面も尽きてきましたが、あさかぜだよりなので最後に大事なことを。徳之島史上、弁護士が常駐するのは私が初めてであり、それが使命感となる一方で、島に一人きりという孤独感に苛まれることも実は結構ありました。そんななか、あさかぜで指導担当をしてくださった先生方に事件の相談が出来たり、あさかぜ出身の先輩方にお話を聞いていただいたりして、仕事の面でも精神的にも支えていただき、あさかぜ出身で良かったなあと思うことが多々ありました。また、あさかぜにいると自然と色々な先生方と交流する機会が増え、それが赴任後の糧となっているなあと感じることもありました。

時代は変わっていきますが、あさかぜ共々今後とも何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

  • URL

「転ばぬ先の杖」(第28回) 「整骨院での施術について」(交通事故委員会)

月報記事

会員 黒野 賢大(64期)

1 はじめに

この「転ばぬ先の杖」シリーズは、月報をご覧になった一般市民の方に、法的な取り扱いや弁護士の取り扱い業務を知っていただくためのコーナーとなっております。

今回は、交通事故委員会から交通事故の際の賠償問題について取り上げたいと思います。

2 交通事故の被害に遭われた方で、「整骨院に通院したいが、病院に許可をもらわないといけないのか」「整骨院への通院を保険会社から打ち切る旨の連絡が来たがどうしたらいいのか」といった内容の相談を弁護士が受ける場合があります。

そこで、被害者の整骨院への通院の際の施術について、実務上の取り扱いについて紹介したいと思います。

3 判例・実務上、整骨院での施術費が交通事故の賠償として認められるためには、原則として、医師の同意(施術についての指示を受けること)が必要とされています。

もっとも、医師の指示を受けなければ全く認められないものではなく、下記(1)から(5)の事情や、患者(被害者)側の事情(整形外科への通院の困難性、副作用回避、時間的拘束)等を考慮して適正な範囲で施術費が認められるものと考えられています。

  1. 施術の必要性 → 施術を行うことが必要な身体状況にあること。これは、各施術が許される受傷内容であることを前提に、従来の医療手段では治療目的を果たすことが期待できず、医療に代えてこれらの施術を行うことが適当である場合、又は、西洋医学的治療と東洋医学に基づく施術とを併施することにより治療効果が期待できる場合である必要があると考えられています。
  2. 施術の有効性 → 治療の効果(症状緩和の効果)があることが必要と考えられています。
  3. 施術内容の合理性 → 受傷の程度や症状の程度に応じたものであることが必要と考えられています。
  4. 施術期間の相当性 → 受傷の内容、治療経過、疼痛の内容、施術の内容及びその効果の程度などから施術を継続する期間が相当であると判断できなければなりません。
  5. 施術費の相当性 → 報酬金額が社会一般の水準と比較して妥当であることが必要だと考えられています。

4 上記のような取り扱いによれば、整骨院での施術についての医師の指示がない場合で、整骨院での施術内容に全く変化がなく、施術の効果が全くなく、1年間整骨院に通い続けた場合に施術費が賠償されないということは想像できると思いますし、一方で、事実上、整骨院の通院を保険会社が承諾して、数か月の通院であれば、それほど問題なく施術費全額を支払ってもらえることになると思います。

しかし、施術費がどの範囲で認められるかという点は、上記のように様々な事情をもとに判断されることになりますので、後から施術費の一部を賠償してもらえなかったということにならないように、早期の段階で専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

その他に、過失割合や慰謝料・休業損害の算定など、交通事故における賠償の法的問題は多岐にわたります。

早期に弁護士に相談することで、賠償にまつわる様々な悩みを弁護士に任せ、治療に集中できる環境づくりをするという意味でも、まず、お気軽に弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。

5 福岡県弁護士会では、以下ように交通事故の法律相談を行っております。

交通事故無料電話相談:092(741)2270
(月・火:午後1時~午後3時30分、 水~金:午後1時~4時)
無料面接相談:お問い合わせ 092(741)3208

  • URL

「実務に役立つLGBT連続講座」第3回/周りの人との接し方、注意点

月報記事

両性の平等委員会・LGBT小委員会 久保井 摂(41期)

LGBTは巷間ありふれた「個性」

この連載では繰り返しこの社会内にいかに多くのLGBT当事者が生活しているかについて言及してきました。ある試算によれば少なくとも7.8%、つまり12~3人にひとりはLGBTの特性を持っているということになります。ですから、LGBTは極めてありふれた「個性」なのです。

けれど、多くの方は、プライベートにおいて、LGBTであることを明らかにして生活している当事者と接した経験を持たないのではないでしょうか。かくいう私もそのひとりです。弁護士としての執務において当事者と接する機会はありましたが、この活動に加わるまで、個人的にLGBTを公言している方と交流する機会はありませんでした。

二桁以上の集団であれば必ず当事者が紛れ込んでいるはずなのに、どうしてそんなことになるのでしょうか。

当事者はあなたの活動空間で生活しています

実は、その事実こそが、LGBTの方々が抱えている困難を端的に示しています。

近年、急速にLGBTに対する社会の理解が進んだように見え、LGBTフレンドリーであることを明らかにし、積極的にその支援を掲げる企業が増えてきましたが、それは社会全体から見るとほんの一部での動きに過ぎません。私たちの住む社会の大半の構成員は、未だにLGBTについて「奇異な」イメージを持っている状況にあります。

ですから、多くの当事者はLGBTであると知られることを極端に懼れます。それによって仕事を失ったり、住居から追われたり、いじめられたり、家族との関係が悪化したり、多くの当事者が実際にいくつもの辛い体験を持っています。だからこそ、当事者はその個性を知られまいと自らを偽って生きていくことを強いられることがしばしばです。

自分が生きていく上で最も本質的なLGBTという個性をひた隠しにして生きていかなければならないこと、それ自体、当事者が抱えさせられている深刻な差別被害なのです。

この被害を解消するには、社会全体がLGBTを正しく知り、ありふれた個性として受けとめるものへと変わっていかなければなりません。今、いろんな形でそのための取り組みがはじまっているところですが、私たち小委員会も一定の役割を果たしたいと思います。

それはともかく、まず私たちにできることは、自分が活動している空間に「必ず」LGBT当事者が生活しているのだということを知ることです。日本にも、LGBTであることを明らかにして活動している弁護士が何人か知られていますが、弁護士の中にも多くのLGBT当事者がいるはずなのです。ところが、世間にはLGBTに対する差別的な「ことば」がはびこっています。自覚的でなければ、無意識のうちにそのような言葉を口にしかねません。あなたがそんな言葉を発したとき、それを耳にした当事者はどんな思いをするでしょうか。

ですから、いついかなる場合でも、LGBTに差別的な言葉や表現を用いることのないように心がけたいものです。日頃のそうしたふるまいこそが、LGBT当事者への支援となります。

アライ(Ally)になろう

アライとは、同盟、支援を意味する英単語です。自身はLGBTではないけれど、LGBTを理解し、当事者を支援したいというサポーターのことをアライと呼んでいます。LGBT当事者の権利確立のためには、既に述べたように社会全体を変えていくことが必要ですが、アライが増えていくたびに、LGBT差別のない社会に近づいていくのですから、アライを増やしていくことは重要です。

でも、仮にあなたがアライと自覚していたとしても、それだけでは当事者への呼びかけにはなりません。そこで、より積極的に「私はアライですよ。ありのままのあなたでいてよいのですよ」とアピールする方法として、「レインボーフラッグ」(赤、橙、黄、緑、青、紫)があります。LGBTに対する差別偏見の激しかった1970年代のアメリカでゲイ当事者によって命がけで掲げられたフラッグで、今も多くのLGBT当事者や支援団体は、性の多様性等を象徴するこのレインボーをシンボルとして使用しています。

レインボーフラッグを示すシールやワッペン、ストラップなどを身に付けていると、当事者に対しては「私はアライですよ」というメッセージになります。みなさんもレインボーを身にまとって、当事者を応援してみませんか。

  • URL

2016年10月号 月報

ITコラム

月報記事

ホームページ委員会 小山 好文(64期)

本日は、SNSについて、まとめてみたいと思います。

SNSとは、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、人と人とのつながりを促進・支援するコミュニティ型のWebサイト及びネットサービスをいいます。

Facebook(フェイスブック)

Facebookは、世界最大のSNSのサービスで、最も有名なSNSです。

Facebookは、実名で登録をするという建前になっていることが特徴で、ビジネスマンの間でよく使われています。日本で普及し始めたのは2011年頃になります。人と人のつながりだけでなくビジネスにも使われ、Facebook上で有料広告を出し企業のPRにも使われています。また、Facebookの企業自体は、様々な企業の買収を繰り返して成長をしており、現在は、AIや自動運転の分野にも進出をしています。

まだ日本で普及して5年程度ですが、20代では、FacebookよりもInstagramが普及してきており、Facebookは年齢が高い人が使うSNSという認識がされていたりするようです。

Twitter(ツイッター)

140字の短文を投稿するSNSです。2006年にアメリカのTwitter社がサービスを開始し、2008年に日本にも上陸しました。Twitterは匿名でも利用できるため、Facebookに比べて気軽に投稿できるということで好まれているようです。特定の人のアカウントを登録(フォロー)することができ、フォローしている人の投稿が自分のTwitterに表示されます。ユーザー数は、若干伸び悩んでおり、Twitter社の株価もFacebookなどに比べると、伸び悩んでいます。

Instagram(インスタグラム)

スマートフォンなどで撮影した写真を加工して、共有することに特化したSNSです。

2012年にFacebookが、社員13人、売上ほぼゼロのInstagramを約800億円で買収して話題になりました。

2016年には、約3000億円の売上になると言われています。

日本でも若い世代ではFacebookではなくInstagramを使う人の方が多く、お店などをインタグラムで検索することで、口コミ効果が大きいため、ビジネスの世界でもInstagramの口コミ効果は注目されています。

mixi(ミクシィ)

日本での元祖SNSといえばmixiです。2004年にサービスが開始されました。

当初は、招待制で登録をしているユーザーから招待を受けないと登録ができない仕組みになっていましたが、2010年からは招待なしでも登録できるようになりました。

当初は、日本で最もユーザーの多いSNSでしたが、現在は、Facebookなどがシェア率を上回るようになりました。

LINE(ライン)

メッセージやスタンプでのやりとり、無料通話など、特に若者の間で人気の高いSNSで、日本でのユーザー数は約6000万人です。現在は、日本、台湾、タイ、インドネシアなどで、高いシェアを占めていますが、世界的なユーザーの獲得ではFacebookなどの後塵を拝しています。

RELEASE(リリース)

福岡発のSNSです。写真を撮って、文章と一緒に投稿ができるSNSです。リリースの特徴的なところは、投稿をするとポイントが貯まり、一定のポイントが貯まると換金ができるという仕組みが特徴のようです。サービスが開始してまだ1年程度ですが、これから地域のSNSとして成長していくかもしれません。

まとめ

現在のインターネットのコミュニケーションは、単なるWebサイトからSNSへ移行してきています。FacebookやTwitterなどを、どうホームページと連動させて情報発信をするかという点にも注目が集まっています。法律事務所もホームページを持つ事務所は増えてきましたが、今後はSNSをどう活用するかという点も重要となってくるといわれています。

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー