「ほう!な話」

2019年2月6日

裁判員の守秘義務どこまで

▼Q 裁判員に選ばれました。守秘義務があるそうですが、家族や友人に何も話せないのですか。

▼A 裁判員として刑事裁判に参加すると、裁判で知り得た「秘密」を他者に話してはならないという守秘義務が課されます。それは裁判員それぞれの自由な発言を保障するなどのためです。

他者に話してはならない秘密とは、(1)裁判官と裁判員だけで話をする評議の経過や言動、多数決の内容などの評議の秘密(2)事件関係者のプライバシーや裁判員の氏名などの職務上知り得た秘密-の二つとされています。

従って裁判員は、それらの秘密に該当しないもの、具体的には、公開の裁判の場で見聞きしたことや裁判員を経験した感想などについては、家族や友人に自由に話すことができます。また定期的に裁判員経験者の意見交換会も行われており、検事や弁護士の主張や配布資料が理解しやすいか、といった感想を述べることもできます。

ただし裁判員を経験した感想のうち、判決で示された事実の認定や刑罰が妥当かどうか(例えば「被告人はアリバイを主張して無罪となったが、私はアリバイがおかしいと思った」「被告人は懲役5年となったが、私は短すぎると思った」など)を述べることは禁止されているので、注意する必要があります。

ですから裁判員になると、知り得た内容の全てを他者に話すことはできなくなります。しかし話せない範囲は決して広くはないので、あまり不安に思わず、貴重な経験として主体的に参加されてください。

西日本新聞 2月6日分掲載(堂前遼司)

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