「ほう!な話」

2017年4月12日

示談や被害弁償を持ちかけられたら?

▼Q ひったくり被害に遭いました。犯人は逮捕されましたが、犯人の弁護士から「示談、被害弁償に応じてもらえませんか」と連絡を受けました。示談と被害弁償の違いや応じる場合の注意点を教えてください。

▼A 示談とは一般的に、裁判手続きによらず当事者の話し合いで、損害賠償責任の有無や金額、支払い方法などに合意し、民事上の争いを解決することをいいます。示談すると、通常は示談書に記載された内容以外の損害賠償請求はできなくなります。一方、示談なしの被害弁償は、単に損害賠償金を支払うことをいい、将来的にそれ以上の賠償請求をしないことを約束するものではありません。損害賠償金を受け取る場合には、示談か、単なる被害弁償かを明確にすることが重要です。

本来、損害賠償請求は、刑事処分の有無を問わず被害者が行えるものです。しかし実際には被疑者・被告人側の資力が乏しく、刑事手続き(逮捕勾留や刑事裁判)が終わった後に賠償金を回収するのは不可能か、著しく困難な場合が多いのです。このため、示談を成立させなければ、賠償金を受け取れなくなるかもしれないことに注意が必要です。

一方、示談や被害弁償に応じると、被疑者が不起訴となったり被告人の刑が軽くなったりすることがあります。判断に悩まれる場合は、福岡県弁護士会の犯罪被害者無料電話相談=092(738)8363(毎週火・金曜、午後4~7時)へご相談ください。

西日本新聞 4月12日分掲載(田中祥太郎)

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