「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2018年2月7日

eコマースは海外からの注文にも注意

▼Q 私は専業主婦です。昔からイラストを描くのが好きでしたが、今回一念発起して、自分で描いたオリジナルキャラクターを使った商品をつくり、インターネットを通じて販売しようと考えています。事業を始めるにあたって、どんな点に注意すればいいでしょうか。

▼A ネットなどを通じた商取引は一般に「eコマース(電子商取引)」と呼ばれています。ご相談のように、最近は買う側だけではなく、売る側として、eコマースに関わる方も増えてきているようです。

気を付けるべきなのは、eコマースにおいては、取引相手が日本国内にいる人に限られない、という点です。海外に商品を販売する場合は、その国の関係法令にも注意を払わなければいけません。もちろん国ごとに法令は異なります。安易に裾野を広げてしまっては、思いがけないトラブルに巻き込まれるおそれもあります。

例えば、日本では通常返品できないような商品でも、相手国では返品可能としているケースなど、消費者保護に関する問題や、製造物責任に関する問題を、事前に検討しておく必要があります。

また、オリジナルキャラクターの知的財産権についても、国ごとに法令が異なるので注意が必要です。

福岡県弁護士会は「ひまわりほっとダイヤル」で、事業者の海外取引・海外展開について相談に応じています。電話は、(0570)001240。

西日本新聞 2月7日分掲載(姜成賢)

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