「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2016年3月16日

公判に被害者も参加できる

▼Q 父が、赤信号で交差点に進入した車にはねられ、亡くなりました。事故後、加害者からは何の連絡もありません。なぜ事故が起きたのか知りたいし、加害者や裁判官に私の思いを聞いてほしいです。

▼A このケースでは、赤信号で交差点に進入し、被害者死亡という重大な結果を生じさせているので、加害者は刑事裁判を受けるでしょう。過失運転致死傷罪などの裁判には、被害者が参加できます。被害者死亡の場合、一定範囲の親族の参加も認められています。

被害者参加をすると、公判に出席できるほか、一定の範囲で被告人に直接質問したり、被害者としての意見を陳述したりもできます。公判で事故の内容を知ることができますし、裁判所に遺族としての意見を伝えられるのです。

もっとも、気持ちの整理がつかない時期では、精神的に大きな負担となることでしょう。そのような場合には、被害者参加代理人として弁護士を立てることも可能です。福岡県弁護士会の犯罪被害者支援センターでは、無料電話相談(火曜と金曜の午後4~7時、祝日除く)=092(738)8363=も行っています。

西日本新聞 3月16日分掲載(石立有)

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