「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2015年9月2日

生活苦の解決 多岐にわたる

▼Q 息子が会社をリストラされ、生活費を補うために借金を繰り返しています。住宅ローンの返済も残っているようです。愛想を尽かした息子の妻は子どもを連れて家を出て行ってしまいました。息子は「子どもに会わせてもらえない」と悩み、最近は「もう死にたい・・・」とまで言うように。とても心配です。

▼A 息子さんが現在抱えておられる問題は、一つずつ解決していくことができます。

まず、住宅ローンを含む借金については、所有建物を売却して、借金を完済する方法が考えられます。借金の完済ができないようであれば、破産申し立てができます。住宅保持を希望し、再就職しているなら、破産申し立てではなく個人民事再生が考えられます。この場合、債務額を圧縮した上で一定期間かけて債権者に返済をしていくことになります。

次に、お子さんに会えるようになるには、面会交流の調停や審判を家庭裁判所に申し立てることができます。仕事が見つからず生活費に困る場合は見つかるまで生活保護を受けることが考えられます。

息子さんは「死にたい」とまで言っており、自死の危険もあります。福岡県弁護士会では自死の危険がある方の支援者(家族、親族、医療関係者など)や自死遺族の方への無料相談を行っています。臨床心理士とも連携しています。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552

西日本新聞 9月2日分掲載(三好有理)

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