「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2012年8月30日

荒れた学校 学習権侵害にも

▼Q 息子が通う中学校が荒れていて、まともに授業が受けられない日が続いています。どうしたらいいでしょうか。

▼A 保護者にとって学校は、わが子を預ける大事な場所。そこが荒れていると聞けば、不安が募ることでしょう。

憲法は「教育を受ける権利」を国民に保障し、その中心は子どもの学ぶ権利(学習権)だと考えるのが一般的です。今回の場合、息子さんの学習権が侵害されている可能性があります。

学校や教育委員会と話し合い改善を訴えましょう。事態が好転しないようなら、転校も考えなければなりません。いずれにしても学習権を侵害されているのは息子さんなので、本人とよく話し合う必要があります。

保護者が教育現場の実情を知る機会はそう多くなく、つい学校任せになりがちです。しかし学校教育は子どもの学ぶ権利と深く関わりをもち、人格形成に深い影響を及ぼすもの。学校教育について考えることは、とても大切なことです。

今、大阪市の橋下徹市長が大胆な教育改革を打ち出しています。そこで、福岡県弁護士会は「どうする学校教育-いま大阪で起きている『教育改革』を福岡で考える」と題したシンポジウムを開きます。子どもたちが充実した学校教育を受けるためにどうすればいいか、みなさんも一緒を考えてみませんか。

◆シンポジウムは9月1日午後2時から、福岡市中央区の天神ビルで。無料。問い合わせは県弁護士会=092(741)6416。

西日本新聞 8月30日分掲載(池田慎)

※このイベントは終了しました

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