「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2018年2月14日

自分の個人情報、黒塗り開示されたときは?

▼Q 国の行政機関に自分に関する情報の開示を求めたら、黒塗りだらけの状態で開示されました。納得できません。どうしたらいいですか。

▼A 行政機関があなたの情報を取得している場合、行政機関個人情報保護法により、開示を求めることができます。自分の個人情報であれば、原則として誰でも開示を受けることができます。

ただし例外的に開示されない不開示情報が定められています。

自分以外の第三者の情報が含まれている場合や、行政機関の事務または事業の性質上、開示することにより事務や事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある場合(例えば自分が受けた任用試験の採点結果)などについては、開示されないことがあります。

納得できないときは、行政不服審査法に基づき審査請求することができます。請求すると、情報公開・個人情報保護審査会という公正中立な第三者機関が調査審議を行い、その結果を行政機関に伝えます。

この審議結果に拘束力はありませんが、多くの場合、審議結果に沿った内容で、開示・不開示が再度判断されます。

審査請求とは別に、行政事件訴訟法に基づき、開示・不開示決定の取り消しを求める訴訟を裁判所に起こすこともできます。

なお地方自治体に対する手続きは、各自治体の個人情報保護条例に基づき行うこととなりますが、基本的考え方は同じです。

西日本新聞 2月14日分掲載(勝野幸成)

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