「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2016年6月22日

異なる意見も聞いて投票へ

▼Q 私は18歳の高校3年生です。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられると聞きましたが、何を基準に誰に投票すればいいのか分かりません。よく分からないまま、投票してもいいのでしょうか?

▼A 改正公職選挙法が19日に施行され、選挙権年齢が「18歳以上」となりました。国政選挙では7月10日投開票の参院選から18歳も投票できます。

投票は権利であって義務ではありませんが、憲法は国民が主権者とうたい、あなたも主権者の一人です。主権者として選挙権を行使する機会ですから、ぜひ投票に行ってみましょう。

どういう理由で誰に投票するかはあなたの自由です。その際、あなたと異なる意見にも耳を傾けてみてください。世の中にはさまざまな考え方の人が暮らしています。どんな考え方でも自由ですが、皆が自由に行動すると衝突してしまいます。

そこで、利害調整のルールが必要となります。ルールは多数決で定めよう、というのが民主主義です。ただ「多数意見だから」というだけだと、少数者が納得できないかもしれません。違う意見を聞けば考えが深まり、より良いアイデアが生まれるかもしれません。議論を経た多数意見なら、少数者も納得するかもしれません。より良いルールを目指す議論が重要です。

福岡県弁護士会は、民主主義や立憲主義を学ぶジュニアロースクールや出前授業を行っています。問い合わせは同弁護士会=092(741)6416=へ。

西日本新聞 6月22日分掲載(吉田星一)

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