「ほう!な話」

2017年11月8日

憲法は同性婚を禁止している?

▼Q 日本の憲法は同性婚を禁止しているのでしょうか?

▼A 憲法24条には「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」とあります。一見すると「両性」=「男女」で、同性婚は認められないとも読めそうです。しかし、憲法の制定過程や理念からみれば、24条は同性婚を否定していません。

24条の草案をつくったのは、22歳でGHQ(連合国軍総司令部)スタッフとなったベアテ・シロタ・ゴードンという女性です。彼女は5歳からの10年間、日本で暮らし、戦前の日本女性たちが置かれた立場を見聞きしました。当時、女性に参政権はなく、結婚するには親(戸主)の同意が必要で、好きな人と自由に結婚できない。結婚すれば「無能力者」と扱われ、財産権はなく相続もできませんでした。終戦後、草案の起草を担当することになった彼女は、日本の女性にどのような権利が必要かを考え条項をつくりました。

「両性の合意のみに基づいて」の意味は、戦前の家制度のように結婚が戸主の意向で決められるのではなく、本人同士の自由意思で決めることができる、ということなのです。

憲法には「個人の尊厳」(13条)や「法の下の平等」(14条)もうたわれています。こうした理念からすると、むしろ性の多様性をも尊重され、同性婚を望む人々が不利益を被るようなことこそ否定されているといえます。性の多様化を踏まえ、結婚のあり方を改めて考えてみることも必要でしょう。

西日本新聞 11月8日分掲載(山崎あづさ)

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