「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2014年10月1日

ネット被害 慌てないで

▼Q パソコンからインターネットにアクセスし、面白そうなアプリがあったのでクリックしたところ、突然アダルトサイトから登録完了と表示され、入会金10万円の請求画面が張りついてとれなくなってしまいました。再起動してもすぐに現れて元にもどりません。10万円を支払うしかないのでしょうか。

▼A パソコン操作に慣れていないユーザーが急増するなか、こうした相談が増えています。操作ミスや内容を熟知していない場合は、法的に有効な利用契約が成立したと言い難いケースも少なくありません。

慌てて言われた金額を振り込むのでなく、最寄りの法律相談センターや消費生活センターなどでどう対応すべきか、アドバイスを受けることが大切です。直接業者に電話すると個人情報を伝えてしまい、二次被害の温床になることがあります。

再起動しても消せないのは、ウイルスソフトでプログラムが改変されているから。業者に依頼すれば有料で修復してもらえます。情報処理推進機構(IPA)サイトで紹介している不正プログラム削除方法を使って削除することも可能です。ネット上の住所に相当するIPアドレスから個人情報が相手に伝わることはありません。くれぐれも慌てないでください。

福岡県弁護士会では、9日午後1~4時、ネット被害の無料電話相談を実施します。トラブルに巻き込まれて困っている方はご利用ください。
相談番号=092(724)2644。

西日本新聞 10月1日分掲載(菅藤 浩三)

※このイベントは終了しました

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