「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2013年11月13日

子の引き渡し、強制執行も

▼Q 夫との生活に耐えきれず、子どもを連れて家を出ました。ようやく平穏な暮らしを取り戻したのに、夫が突然、子どもを連れ去ったのです。取り戻したいのですが・・・。

▼A 話し合いで解決できない場合、家庭裁判所に「監護者の指定」と「子の引き渡し」を求める審判を申し立てることになります。もっと早く取り戻したければ、審判までの間、仮に監護者を決めてほしい旨の申し立て(審判前の保全処分)を同時に行います。

申し立てが認められたにもかかわらず、相手方が任意の引き渡しに応じない場合、家庭裁判所の審判や決定を債務名義として「強制執行」を申し立てることになります。強制執行には「引き渡すまで1日あたり○円支払え」などと金銭で精神的圧迫をかける「間接強制」と、相手方の意思を待たずに権利の実現を図る「直接強制」があります。直接強制では執行官と一緒に相手方へ出向きます。子どもが不在などの場合は引き渡しを受けられないこともあります。

強制執行も功を奏しなければ「人身保護請求手続き」で実現を目指すことになります。

こうした問題も含め、福岡県弁護士会は19日午前110時~午後5時、無料電話相談「女性の権利110番」=093(583)3331/093(583)3663=を実施します。

西日本新聞 11月13日分掲載(岩岡優子)

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