「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2014年11月5日

抱え込まず相談してほしい

▼Q 私は高校生ですが、最近、父からいやらしいことをされるので悩んでいます。友達に「虐待だから誰かに相談した方がいい」と言われたのですが、「虐待」なのかどうか、誰に相談したらよいか、よく分かりません。相談するとお金がかかるのではないかも心配です。

▼A 「虐待」には、大きく分けて(1)暴力を伴う身体的虐待(2)わいせつな行為をしたり、させたりする性的虐待(3)食事を与えないなどネグレクト(4)暴言などによる心理的虐待-の4種類があります。あなたの場合は性的虐待にあたる恐れがあるので、一刻も早く相談してください。虐待では各地の児童相談所や市町村に相談窓口があります。弁護士に無料で相談することもできます。福岡県弁護士会では、毎週土曜日の午後0時半~3時半、弁護士による無料電話相談=092(752)1331=を設けています。相談内容が誰かに漏れることはありませんので安心してください。

あなたが虐待を受け、お父さんが親権者としてふさわしくないということであれば、家庭裁判所に申し立てて、親権を一時的に停止させたり、喪失させたりすることができます。こうした申し立てや、あなたに代わって親と話し合うことなどを弁護士に依頼して行うことも可能です。「子どもに対する法律援助」という制度があるので、あなたが弁護士費用を負担する必要はありません。虐待かも?と思ったら一人で抱え込まず、まずは相談窓口や弁護士にご相談ください。

西日本新聞 11月5日分掲載(高井 弘達)

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