「ほう!な話」

2018年9月5日

勤務中の私用メール どこまで許される?

▼Q 私は小さな会社を経営しています。会社が貸しているパソコンで、事務員が私用メールをしていることが分かりました。法的にどこまで許されるのでしょう。

▼A 私用メールは、労働者が雇用契約上負っている「職務専念義務」に違反しないかが問題となります。会社の備品を私的に利用していいかも問題となります。

備品の私的利用の範囲については、会社の決まり(就業規則など)がどうなっているかが重要です。就業規則などにパソコンの利用について定めがあれば、基本的にその定めに従うことになります。

しかし、過去の裁判でも触れられていますが、仕事中に業務と直接関係ない話をすることが一般的にないこととはいえませんし、労働者も個人で社会生活を送っている以上、外部との連絡が一切許されないわけではありません。そのため、違反が問われるのは、私用メールが社会通念上相当な範囲を超える場合と考えられています。

1カ月に数通程度なら問題ないですが、1日に何十通ものやりとりがあれば時間を大幅に費やしていると思われ、職務に支障が出ている可能性があります。また、数は少なくても、会社が分かるようなメールアドレスで、会社の社会的信用が傷つくような内容のメールも社会通念上相当でないとして、就業規則上、懲戒事由に当たれば処分の対象となり得ます。

なお、会社支給のパソコンでも、従業員個人で使う前提の場合、仮に調査権限なくパソコンを見るとプライバシー侵害となる恐れがあります。就業規則に調査権限を定めておくことをご検討ください。

西日本新聞 9月5日分掲載(井川原有香)

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