弁護士会の読書
※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。
2025年6月 9日
樹木医がおしえる木のすごい仕組み
生物
(霧山昴)
著者 瀬尾 一樹 、 出版 ペレ出版
わが家の庭にもたくさんの木があります。紅梅・自梅は、今年は梅の実が豊作でした。ナツメの木はトゲが要注意です。サルスベリは前ほど勢いがありません。香りが弱まりました。モチの木は巨木になりました。グミの木は1本は枯れてしまいました。枯れたのは、マツのほかにもハナミズキもがあり、サクランボの木とキウイは切り倒してしまいました。酔芙蓉の木も枯れたのか切り倒してしまいました。あと、シュロがぐんぐん伸びています。私の背をとっくに越してしまいました。
木の年輪の幅が広くなっている方が南というのは俗説なのだそうです。年輪幅が広くなっている部分は「あて材」として、傾いた幹や枝を持ち上げようとしているのです。
幹の内側の古い部分は心材と呼ばれていて、細胞は死んでいて。水も通していない。ただし、ここに抗菌物質が蓄積しているため、腐るのには時間がかかる。
木の幹にくっついている「こぶ」には外敵に対抗する物質が多く含まれているので、切らないほうがよい。
幹から生えるキノコの多くは、枯れ枝や幹の内部を食べて育ったもの。根元から出ているのは「ひこばえ」、幹の途中から出ているのは「胴吹き」と呼ぶ。
河口のアングローブは、塩分が入ってくるのを最小限に抑えたり、塩分を排出したり、体内の一部に塩分をため込んだり、種類によって違う方法で対処している。
高山でかわいい花畑をつくっているチングルマは花ではなく立派な低木。
老木が倒れて、その周囲に太陽光が当たるようになると、多くの植物が育ってくる。暗いところでは育たないアカメガシワの木の種が土中で休眠している。
気にしがみついて生きる着生植物は、樹皮に水を留めておく力があまりないため、乾燥に耐える力が必要となる。
木の病気の原因で多いのはカビのような菌類。クリスマスの時期に登場する紅い花のポインセチアは、その多くが最近による病気にかかったもの。わざと病気にかけることで、観賞価値を高めている。うひゃあ、そ、そうなんですか...。知りませんでした。
世界で一番大きな木は、北アメリカに自生するセンペルセコイア。私は小学校を卒業するとき、メタセコイヤの若木をもらいました。すぐに枯らしてしまいましたが、これも大きくなるようですね。
日本で一番大きい木は鹿児島県の「蒲生の大クス」だそうです。樹高30メートル、幹回り24メートル。樹高だけだと、京都のスギの木で62メートルもあるとのことです。ソメイヨシノは50年から60年が寿命といわれていますが、100年をこえて生きているソメイヨシノも存在するそうです。
世界的には長寿なのは、アメリカの松の仲間が4900年。そして、ポプラの仲間は、クローンとして8万年前から存在するとのこと。こうなると、寿命って何...、という不思議な気になります。
(2025年3月刊。1900円+税)