(霧山昴)
著者 半田 滋 、 出版 あけび書房
先日、久しぶりに著者の話を拝聴しました。たくさんの写真と図、グラフを使って、いつものようにとても分かりやすい話です。でも、内容は怖い話のオンパレードです。
その典型の一つが、「台湾有事」が起きたとき、沖縄本島以外の島々にいる人は、観光客を含めて12万人を数日間のうちに九州へ避難させるというものです。えっ、では沖縄本島126万人はどうなるの・・・。とても避難させられないので、各自 自己責任で地下室にでも入りなさいというのです。沖縄本島にはモノレールはあっても地下鉄なんか走っていません。ところが、自衛隊の司令部だけは地下シェルターに入ってミサイル攻撃に耐えるというのです。ええっ、自衛隊って、国民を守るのを役目としているのではないの・・・??
そして、自衛隊の保有するミサイルの飛行距離を1000キロ以上にして、中国本土奥深くまで届くようにして、国内の弾丸製造工場をつくって、継戦能力を向上させるというのです。
でも、食べものとエネルギーはどうなりますか。食料自給率38%というのも、実はごまかしていて、もっと低いとみられていますし、中国から大量に食料を輸入しています。減反ばかりで米作りも十分に保持されていません。腹が減って戦えるのでしょうか・・・。
アメリカのイラン攻撃によって原油不足は深刻です。ガソリンだけは、政府の補助金によって値上がりしていませんが、ナフサ不足による影響は深刻です。原油備蓄もそれほどはありません。
ところが、高市首相は、こんな緊急課題を放ったらかして、皇室典範の改正、国旗掲揚の新設、そして大阪維新を救うための副首都法の制定といった、まさしく不要不急の法律制定に血眼になっていて、ひんしゅくを買っていました。
高市首相も小泉防衛大臣も非核三原則をなし崩しにしようと必死です。核兵器で攻撃された日本の首相・大臣とはとても思えません。
トマホークやオスプレイとかイージス・アショア(船)とか、アメリカから高額な兵器を爆買いしています。それは何兆円にもなります。たとえば、大学の学費をヨーロッパのようにタダにするのには1兆円ほどで足りるのです。アメリカからの兵器の爆買いを止めたら、日本でもすぐ実現できます。
ところで、著者は、国民が軍事費増大を「望んでいる」と厳しく批判しています。そうなんです。日本のマスコミは、中国の脅威をことさら大きく報道します。すると、なんとなく日本を守るためには軍事費が増大するのも仕方ないかーと思わされているのです。でも、本当は、軍事費を増大させるのは、三菱重工等などの軍事産業を肥太らせるためだし、政治家が甘い汁をすうためなのです。
この本を読んで、もっと地に着いた議論をしたいものです。「戦争に備えて軍備を増やすなんて、そんなバカげたことはやめろ」と、みんなで叫びましょう。
(2025年11月刊。2420円)


