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カテゴリー: 生物

花はなぜ咲くのか

カテゴリー:生物

著者:鷲谷いづみ、出版社:山と渓谷社
 花の世界の不思議を解明する楽しい写真集です。ホント、花って不思議ですよね。わが家の庭にトケイソウがあります。その花は、まさしく時計の文字盤そっくりです。小さく折り畳まれていたツボミが、ぐんぐん開いていって、見事な大輪の花に変わっていくさまは、見事なものです。よくも間違って折り畳んでしまわないものです。
 花は、虫たちに紫外線を反射してシグナルとメッセージを送っている。花が虫たちに蜜(みつ)のありかを教える標識をネクターガイド(蜜標)という。
 植物たちが心待ちにしているのは、配偶相手と結びつけてくれる仲人、つまり花粉の運び手となる動物(ポリネータ)である。いかにポリネータを操って、よき配偶者と出会い、健全な子孫を残すのか。花には、そのための知恵が結実している。
 花とその花粉を運ぶ動物との関係は、お互いに利益を得ることで成り立つ相利共生関係である。花は動物に花粉を運んでもらうことでタネを結ぶことができ、動物は蜜や花粉などのエサにありつける。お互いに利益を得ることで、相手を必要としている。
 タンパク質やミネラルの豊富な花粉を報酬とするのは、植物にとっては相当な経済的負担となる。もっと安上がりにしたいと思って選ばれたのが甘い蜜。これは光と水さえ十分にあれば、二酸化炭素と水を材料として、いくらでも光合成でつくり出すことができる。そして、ポリネータに気に入ってもらえるように、蜜には糖以外の滋養分もほどよく混ぜこまれている。たとえば、アミノ酸。
 早春に咲くザゼンソウのお礼は、暖かい部屋。つまり、積極的に発熱し、暖かい部屋を用意して虫たちを招き寄せる。
 マルハナバチは、その個体それぞれに、蜜や花粉を集める植物の種類を決めて、同じ種類の花だけを選んで訪れるという性質がある。これを定花性という。同種の花だけを次々に訪れるため、植物からみれば、同種の花に効率よく花粉を送り届けてもらえるわけだ。だから、定花性をもつマルハナバチ類は、ポリネータとして花に絶大な人気がある。
 ふむむ、なーるほど、そういうことだったんですか・・・。わが家の庭にもマルハナバチはよくやって来ます。丸っこいお尻が特徴の愛らしい姿をしています。
 このほか、性転換する植物も登場します。テンナンショウ属マムシグサは性転換する。環境条件に応じた栄養成長と有性生殖の成功に応じて、オスからメスへ、ときにはメスからオスへと、ダイナミックに起きる。
 大自然の奥行きの深さは尽きぬものがあります。
 いま、わが家の庭には秋明菊の淡いクリーム色の花が咲いています。とても上品で、可憐な雰囲気の花なので、私は大好きです。黄色いリコリスの花も咲いています。ヒガンバナは終わりました。芙蓉の花も次第に咲かなくなりました。今年はキンモクセイの香りがしないと新聞のコラムに書かれていました。なるほど、わが家もそうです。たくさん花は咲いているのですが・・・。でも、そのうち例の甘い香りを漂わせてくれると期待しています。実は鉢植えのシクラメンが小さな花を咲かせています。去年の暮れにもらったものを今回はじめて生きのびさせることができました。
(2007年7月刊。1600円)

ゆりかごは口の中

カテゴリー:生物

著者:桜井淳史、出版社:ポプラ社
 魚の子育てを追跡した楽しい写真集です。人類発祥の地として名高いアフリカ大陸の大地溝帯にあるタンガニーカ湖にすむ魚も登場します。そこには300種類もの魚がいて、口の中で子育てをする魚、何かにたまごを産みつけ、そこでたまごと稚魚を守る魚など、いろんな魚がいるのです。
 著者はまず、自分の家の水槽でエンゼルフィッシュを飼い、その子育てを撮影しようとします。エンゼルフィッシュは南米のアマゾン川が原産地であり、オスとメスが協力して子どもを育てる、なかのよいペアは死ぬまで一緒に暮らします。ふむむ、すごーい。
 エンゼルフィッシュは、シクリッドフィッシュと呼ばれる魚のグループ。シクリッドフィッシュは、アメリカ大陸とアフリカ大陸の熱帯地方の川や湖、海ぞいに1200種ほどいる。どの魚も面白い産卵の仕方であり、子育てが上手である。
 エンゼルフィッシュを水槽で飼おうとして、適当な2匹を入れても、ケンカばかりして、とてもうまくいかない。エンゼルフィッシュは、実は、人間の都合によるお仕着せのカップルではダメで、自分で相手を選ぶ恋愛結婚でしかうまくいなかい。
 ひゃあ、そうなんですか・・・。魚と思ってバカにしてはいけないのですね。
 エジプシャンマウスブルーダーは、口の中に子どもを入れて子育てをする。その写真があります。信じられません。子どもたちを守り育てるのに一番安全な場所は、親の口の中だというわけです。子どもが口の中にいたら、親はエサを食べられませんよね。でも、そこもうまく解決しているようです。
 親が子育てをしない魚では、たとえばマンボウは1回に3億個のたまごを産み、イワシは1回に10万個ものたまごを産む。その大半が食べられる運命にある。
 しかし、親が子育てをする魚は、一回に産むたまごは、500個とか30個というように、とても少ない。
 魚の子育てにも人間の子育てのような苦労があるということを知りました。
(2006年12月刊。950円+税)

犬と私の10の約束

カテゴリー:生物

著者:川口 晴、出版社:文藝春秋
 犬好きの人にはこたえられない感動本です。可愛らしいゴールデンレトリバー犬の仔犬の写真が入っていて、まるで実話の世界です。
 犬の名前はソックス。友だちがつけた名前はタビ。たしかに、写真を見ると、右足の先っぽだけ白色になっていて、まるで靴下をはいているかのようです。
 犬を飼うときには、犬と10の約束をしないといけない。それが守れないのなら飼ってはダメだし、飼っているあいだは、この約束をいつも思い出すこと。
1、犬語は分かりにくいかもしれないけれど、私と気長につきあってくださいね。
2、私を信じて。それだけで私は幸せです。
3、私にも心があることを忘れないで。
4、言うことをきかないときは、理由があります。
5、私にたくさん話しかけて。人のことばは話せないけれど、わかっています。
6、ケンカはやめようね。本気になったら私が勝っちゃうよ。
7、私が年齢(とし)をとっても仲良くしてください。
8、私は10年くらいしか生きられません。だから、一緒にいる時間を大切にしようね。9、あなたには学校もあるし、友だちもいるよね。でも、私にはしかいません。
10、あなたと過ごした時間を忘れません。お願いです。私が死ぬとき、そばにいてね。 どうか覚えていてください。私があなたを愛していたことを。
 なーるほど、いい約束ですね。でも、人間って、すぐ自分の都合で動いて、こんな約束をしたことを忘れてしまうんですよね。
 私が小学生のころ飼っていたのはスピッツ犬で、座敷犬でした。上も下もかまわず歩いていましたから、畳の上はいつもザラザラしていました。今なら、とてもそんなことは耐えられませんが、一家5人(そうです。子どもが5人もいて、私は末っ子なのでした。姉たちにおしめをかえてもらっていたそうですが、もちろん、そんな記憶は私にはありません)、だれも気にせず、平気で犬と同居していました。ルミ(オスのスピッツ犬なのですが、勝手にそう呼んでいました)は、私が大学に入って1年もしないうちに、家の前の道路で車にはねられて死んでしまいました。だから、私は死に目には会えませんでした。遠く、東京で泣きました。恐らく老衰して、足がよく動かなくなっていたので、モタモタしているうちに車にはねられてしまったのでしょう。
 ゴールデンレトリバーも、大きくなるのはすごく速いんですね。大きくなったソックスの写真もあります。映画になるそうです。見てみたいですね。
 朝7時すぎ、雨戸を開けると清々しい純白の芙蓉の花がこぼれんばかりに咲いています。夕方には赫い花になってしまう酔芙蓉がいま盛りです。下の田んぼの稲刈りが終わって、スッキリしました。ヒマワリを刈りとり、見通しのよい庭になりました。チューリップやアネモネなど、春の花を少しずつ植えています。土いじりは楽しい作業です。
(2007年7月刊。1143円+税)

有機化学美術館へようこそ

カテゴリー:生物

著者:佐藤健太郎、出版社:技術評論社
 直径わずか100億分の7メートルのフラーレンのなかに物を詰めるというのです。まったく想像を絶する世界です。
 もっとも辛い化合物カプサイシンは、1600万分の1の濃度で辛味を感じる。もっとも甘い化合物ラグドゥネームは、砂糖の22〜30万倍も甘い。もっとも苦い化合物である安息香酸デナトニウムは1億分の1の濃度で苦味を感じる。もっとも生産量の多いアスピリン(消炎鎮痛剤)は年間に1000億錠もつくられる。世界で売上げの一番多い薬であるリピトール(高脂血症治療薬)は、年間に1兆3000億円の売上げがある。
 私は高校3年生まで理科系の進学クラスにいました。結局は、数学が自分にできないことを悟って、文化系に転向したのですが、物理も化学も好きで、得意な科目ではありました。でも、今では、理科系にすすまなくて、本当に良かったと思います。物理や化学が好きだといっても、とてもそちらの方面で研究を続けられたはずはないと確信するからです。それでも、この本が紹介するような化学の話には依然として興味・関心があります。十分に理解できなくても、見ているだけで楽しいのです。
 この本には多面体分子の美しい姿がたくさん紹介されています。まさしく自然の不思議とも言うべき美しい姿をしています。
 亀の甲、つまり六角形のベンゼン環が基本になっています。
 有機化学の研究室は、実際にはかなりの修羅場である。きつい、汚い、危険、厳しい、苦しい、臭い、悲しい、体に悪い、給料がない、教授が恐い、彼女ができない。8Kも 10Kもありうるところ。
 エステルやアルコールをふくむこのは、一般的に比較的よい香りがする。カルボン酸やアミン(窒素化合物)、硫黄化合物などは、たいてい耐え難い悪臭がする。
 カルボン酸のにおいは、動物的なにおがする。ヨーロッパのチーズに臭いものがあるが、それはカルボン酸や酪酸による。銀杏のにおいも、ヘキサン酸やヘプタン酸が主成分。
 精液のにおいは、アミンの分解物のにおである。
 鋼鉄の数十倍の強さをもち、いくら曲げても折れないほどしなやかで、薬品や高熱にも耐え、銀よりも電気を、ダイヤモンドよりも熱をよく伝える。コンピューターを今より数百倍も高性能にし、エネルギー問題を解決する可能性を秘めている。それが、カーボンナノチューブである。
 ナノチューブの太さは、その名のとおりナノメートル(10億分の1メートル)のオーダーで、長さは、その数千倍にもなる。半導体のナノチューブは、コンピューターの素子として大きな可能性が考えられる。たとえば、一般的な銅線では、1平方メートルあたり 100万アンペアの電流を流すと焼き切れるが、安定かつ丈夫なナノチューブは10億アンペアを流すことができる。
 また、ナノチューブは、とてつもなく丈夫な素材なので、これを編みこめたら、素晴らしく頑丈な繊維ができあがるはず。欠陥のないナノチューブだけでロープをつくることができたとしたら、直径1センチのロープが1200トンを吊り上げることができる計算になる。
 化学のことがよく理解できなくても(私のことです)、分子の世界の造形の美しさだけは、よく伝わってくる本でした。
 わが家の近くの田圃の稲に、やがて米粒となる稲穂がつきはじめました。稲の花は白くて地味ですので、緑々した稲に見とれていると、ついうっかり見過ごしてしまいます。稲刈りまで、あと1ヶ月あまりとなりました。早いものです。今年も秋となり、4ヶ月しかないのです。暑い暑いと言っているうちに、やがて師走を迎えるようになるのですからね・・・。還暦を迎える年が近づいてくると、一日一日がとても大切に思えてきます。
(2007年6月刊。1580円+税)

終生、ヒトのオスは飼わず

カテゴリー:生物

著者:米原万里、出版社:文藝春秋
 いかにも著者ごのみのタイトルです。実は、これは、自分で書いた死亡記事のタイトルでした。多くの著名人が自分の死亡記事を書いていて、文春文庫『私の死亡記事』になっています。それによると、著者は2025年に75歳で死んだことになっています。
 この本の大半は、雑誌『ドッグワールド』の2003年5月から2005年12月まで32回にわたって連載されたエッセイがおさめられています。要するに、著者の親愛なる家族たち(犬と猫のことです)の、大変でもあり、愛らしくもある行状記です。いやいや、ペットを飼うというのは大変なことだと思いました。
 猫にミドニングというのがあるのを初めて知りました。
 ミドニングとはトイレの場所を間違えたり、排便しそこねて外にしてしまうというものではなく、きわめてはっきりした行為である。猫はトイレ以外の特定の場所を選び、そこに糞を残すことによって、なわばりの占有・使用・通行などの権利を示そうとする。およそ、前から少し神経質だとか、気の弱い性質の猫が、何らかの大きな変化やチャレンジに遭遇したとき、こうなることが多い。
 著者は飼い猫(龍馬という名前です)をしっかり抱きしめ、そのストレスを軽減させることによって、その症状を半年で完治させたのです。獣医師は感嘆の声を上げました。うむむ、なるほど、ですね。
 著者のペットに対する愛情の深さを示すエピソードを紹介します。飼犬(ゲン)が落雷のあった日に家をとび出して行方不明になってしまいました。そのあと、著者はなんと1年にわたって、4日に一度、近くの動物管理事務所に電話を入れて確認したのです。犬はそこに保護されると5日目には薬殺処理へ回されてしまう。だから、その前日、4日目の午後4時から5時に、動物管理事務所に電話を入れる。それは、日本国内にいようと、アメリカにいたときも、チェコにいたときも、4日に一度の電話を欠かしたことはなかった。そして、それを1年も続けた、というのです。すごーい、頭が下がります。
 犬は、たしかに雷をひどく怖がります。私が子どものころ飼っていたスピッツ犬(ルミという名のオス犬で、座敷犬でした)は、雷鳴を聞くと、家中を走りまわったあげく、押し入れの奥に頭を突っこんで、全身をブルブル震わせていました。哀れなほどです。
 結局、ゲンは出てきませんでした。きっと、どこかの家で飼われたのだろうと思います。なかなか頭の良い犬だったようですから、おおいにありうることと思います。
 私が小学1年生のとき、我が家は大きな引っ越しをしました。同じ市内でしたが、トラックに乗って引っ越したのです。そして、その途中で、飼犬(ペット)がいなくなってしましました。泣き叫んで、親にバカバカ、どうして、どうして、と大声で抗議したことを今もはっきり覚えています。
 猫一般の常識がある。見知らぬ猫であれ、子猫には優しくすることになっているようだ。たとえば子猫が食べ終わってからでないと、大人猫は食べない。同居していた親しい仲間の猫が死んだとき、猫たちはいつもの夕食の催促をせず、ほとんど口をつけなかった。
 真夜中、死んだ猫の周囲にしっかり目を見開いて座り、まんじりともせず夜を明かした。
 ええーっ、これって、まさにお通夜の光景ではありませんか。驚いてしまいます。猫がお通夜をしてるなんて・・・。今では人間社会のお通夜はほとんど形式ばかりになってしまいましたのに・・・。
 共産党の高名な代議士(米原いたる)の長女として生まれた著者は、小学3年生のときチェコスロバキアに両親とともに渡ります。著者の年譜によると、チェコにいたのは5年間ほどのようです。私はもっと長くいたのかと思っていました。
 父の米原いたる代議士も語学の才能があったようです。英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語ができたというのです。でしたら、著者の語学力は父親譲りの才能だったのでしょうね。
 何回も繰り返しますが、本当に惜しい人を早々と亡くしてしまいました。75歳まで生きて、大いに世間に対して毒舌もふるってほしかったと思います。残念でなりません。それにしても、ヒトのオスも飼っていてほしかったですね・・・。
 日曜日の朝、異変を感じました。妙に静かすぎるのです。蝉の声がまったくしません。うむむ、これは一体どうしたことだろう。わが家の庭木で鳴かないどころか、近隣でもまったく蝉が鳴いていません。夏の終わりを告げるツクツク法師もクマ蝉も鳴いていないのです。連日の猛暑のために蝉たちも一休みしているのでしょうか・・・。
 蝉の声といえば、10年以上前、南フランスで一夏を過ごしたことがあります。フランスの蝉の鳴き声はジジジジと、とても単調です。しかも、めったにいません。ですから、フランスの夏は、日本と違って基本的に静かです。ついフランスでの夏の朝まで連想してしまいました。また南フランス、プロヴァンスに行きたくなりました。そうなんです。すごく料理が美味しいんです。よーし、来夏は、行ってこようっと・・・。
(2007年5月刊。1381円+税)

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