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2026年6月 の投稿

冬眠の生命科学

カテゴリー:生物

(霧山昴)

著者 山口 良文 、 出版 エクスナレッジ

冬眠をする動物は珍しくない。哺乳類の100種以上、全体の 5〜20%が冬眠する。

クマは冬眠するとされていたのに「冬ごもり」と呼ぶべきだとされていた時期がある。でも、 今では、やはりクマは冬眠すると再定義されている。

冬眠と呼ぶための最小限の特徴は、「低代謝」がコントロールされた形で長時間続くこと。

ヨーロッパの寒い地域に生息するオオヤマネは、なんと 1年のうち11ヶ月も冬眠する。1ヶ月しか活動しない。ええーっ、いったい寿命は長いのでしょうか…。

冬眠と睡眠は似て非なるもの。

恒温動物は、代謝を自ら落とすことで体温が下がる。 地球上のほとんどの動物は変温動物。脊骨をもたない無脊椎動物はすべて変温動物。脊椎(背骨)をもつ脊椎動物のうち、哺乳類と鳥類を除いたものはすべて変温動物に分類される。

凍った状態で冬眠するカエルがいる。凍るカエルは、細胞の中の水をうまく細胞の外に追い出すことで、氷点下でも細胞の中身自体は凍らないようにしている。心臓も止まっている。不凍タンパクは、水分子とうまい形で結合することで、水の 成長を抑えて凍結しないようにしている。

変温動物の中には、夏の暑さや乾燥などから身を守るため夏眠(かみん)するものもたくさんいる。えっ、冬眠ではなく、夏眠するのですか……。

鳥類は、基本的に冬眠しない。冬眠のときの体温は、外気温とほぼ同じ。兵庫県の六甲山で遭難した人が体温22度まで下がり、2週間も生きていて発見され助かったことがある。意識を失って、ほとんど何も食べなかった のだから、冬眠していたのと同じようなもの。いやはや、これはすごいことですね。

科学は誰も答えを知らない問題を自分で見つけて解かなければならないもの。新しい「問い」を立てて、それをいかにしたら解けるのか、解き方を自分で 考えるのが科学者で、それをプロとしてやっていくのが研究者の仕事。なるほど、ですね。

弁護士の仕事でも、正解はなく、絶えず次善の解決策を探っています。少しは似たところもあるように思いますが、いかがでしょうか。

(2026年3月刊。1980円)

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