(霧山昴)
著者 山本啓一 、 出版 インターナショナル新書
髪も骨も筋肉も、私たちはタンパク質でできている。 そのことを実感させてくれる本です。
ヒトの身体を構成している物質で一番多いのは水(60%)で、脂質(20%)、タンパク質(16%)と続く。 次にミネラル(4%)、炭水化物(1%)。
脂質と炭水化物の主要な役割はエネルギーの供給。 そのエネルギーをさまざまな生命活動に変換するという重要な働きをしているのがタンパク質。 タンパク質が人の身体の中でいろいろな働きをすることができるのは、さまざまな状況に対応して自由自在に構造をつくることができるから。 タンパク質はアミノ酸が多数つながったもの。
タンパク質をつくるアミノ酸は20種類。 タンパク質は、20種類あるアミノ酸を適切に配列させることで、さまざまな構造をつくり出すことができる。
ヒトの身体の中には2万種類ものタンパク質がある。 タンパク質の中で最も大量に存在するのがコラーゲン。 タンパク質総重量の30%を占める。
コラーゲンは、細胞どうしを接着するタンパク質。 コラーゲンの構造は単純で、そのアミノ酸配列は、ほとんどの動物で同じ。
カルシウムイオンは、シグナル物質。 エネルギーを使って細胞の外に排出しているため、細胞内のカルシウムイオン濃度は非常に低く抑えられている。 そのため、ごくわずかなカルシウムイオンの流入でも強いシグナルとなる。 カルシウムイオンがシグナルとして使われる代表的な場所が神経伝達と筋収縮。
酵素は化学反応の進行を促す触媒として働くタンパク質。
ビタミンCを体内でつくれないのは人間、一部の猿、モルモット、コウモリだけ。 その他の動物は自分で作ることができる。
食べた酵素がそのままヒトの身体の中で働くことはほとんどない。 ヒトの体内のタンパク質は、毎日、少しずつ分解され、新しいものに置き換えられる。 その量は1日に300〜400グラム。
コラーゲンは、半分が置き換わる時間は、若い人で95年、高齢者だと215年。 一生をかけても、半分も置き換わらない。
アミノ酸はエネルギー源にもなってしまうため、タンパク質の分解で生じたアミノ酸の一部は細胞内で使われている。 タンパク質の量を維持するためには、日60〜80グラムのタンパク質を毎日、食事によってとらなければいけない。 元気な老後を過ごすには、一日体重1キロあたり、1.2グラムほどのタンパク質をとったほうがよい。 年をとると消化吸収能力が落ちるため、少し多めにタンパク質をとったほうがよい。 高くて質の良い肉を毎日少しずつ食べたほうがよさそうなのです。
あとがきを読んで、著者は私と同年に生まれ、東大闘争も同じような体験をしていることが分かりました。
(2025年12月刊。970円+税)


