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米中関係の実像

(霧山昴) 

著者 末浪 靖司 、 出版 かもがわ出版

アメリカは、かつて中国に対して次のように説明した(1972年2月のニクソン大統領と周恩来首相との会談において)。

「日本には巨大な経済力があり、アメリカの安全保障 政策がなくなったら、独自の防衛力を築きあげるかもしれない。アメリカは中国に対する恨みもない。アメリカは防衛関係にある日本に対し、中国に有害な政策 をとらないよう影響を及ぼさせると信じてほしい」

しかし、これはまったく事実に反している。アメリカは自衛隊をアメリカ軍の指揮下で使うため、日本の軍備増 強を要求してきたし、今も要求し続行させている。

これは、54年たった今もトランプ大統領は日本に果てしなく軍備増強をすすめており、変わりません。そして、高市首相はトランプに抱きついてこびを売っています。トマホークなど、イラク戦争で使いまくったため、アメリカに在庫がなくなっても、日本政府は購入代金の先払い をやめようともしません。そこには日本国民の生活を守るという発想はかけらもありません。

日本と中国との国交関係は、高市首相の「台湾有事には日本は出動する」といわんばかりの暴言によって冷え きったままです。中国本土からの訪日客は激減しています。ところが、ヨーロッパ各国の首相たちは相次いで中国を訪問していますし、トランプ大統領もそうです。大歓迎を受けて ご満悦のトランプ大統領の姿が映像で流れました。

G7の会合でも高市首相はどの国からも相手にされず、写真撮影のとき造り笑いをし、誰もいない会議室で一人椅子を回してポツネンとして失笑を買って いました。いつだってトランプの言いなりの高市と話しても何の意味もないと思われているのです。

日本にとって、中国は最大の輸出相手ですし、輸入も同じです。それは、アメリカも 同じです。

トランプが習近平と親しさを増しているなかで、アメリカの大企業、金持ちは中国への投資・進出を増やしています。日本は、この面でも取り残されているのです。

トランプやバイデンは、あたかも「台湾防衛」をするかのように言った。しかし、これはアメリカの有権者向けであり、台湾に高額の武器を売りつける軍需企業のリップサービスでしかない。

台湾海峡は、世界最大の 船舶が航行する物流の中心であり、地球上のコンテナ船団の半分と最大の船団の88%が台湾海峡を通る。

2021年の時点で、世界の先端的な半導体輸入の92%は台湾の半導体製造会社による。もし、台湾が半導体の 供給を拒否したら、アメリカはどうなるか。アメリカは先端的な半導体の70%を台湾から購入しているのだから…。

中国はロシアのウクライナ侵略戦争を支持していない。「ロシアとウクライナの軍事紛争」と言うだけ。 

米中「対立」ではなく、米中「競争」。かつてのように体制をかけた対立ではなく、互いに資本の利潤追求を標榜する国家間の抗争に代わっている。両国は地球上で利益を分けあっている。 

日本人の多くは、今もアメリカの軍事力が日本の安全を守っていると誤解しています。でも、トランプの変転する言動をみると、トランプには日本を守る気なんて、さらさらないことがよく分かります。ヨーロッパでも同じです。なので、ヨーロッパ ではアメリカ離れがすすんでいます。

日本も、アメリカにべったりくっついて守ってもらうという一刻も早く幻想から離脱する必要があります。もちろん、それは日本が独自に軍事力を強める方向ではありません。軍事力ではなく、平和外交の道を 力強く歩む必要があるのです。まずは日米安保条約を破棄通告すればよいのです。

(2023年1月刊。2750円)

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