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日本のかわいい鳥、世界の綺麗な鳥

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 上田 恵介 、 出版  ビジュアルだいわ文庫
日本のかわいい鳥のオンパレードです。写真がよく撮れています。
わが家に来る鳥で、人気ナンバーワンは、なんといってもジョウビタキです。美しい頭上の銀と翼の白い斑紋が優雅。鳴きながらピョコンとお辞儀をするようにして、尾羽を振る。このとき、くちばしで「カチカチ」という音を出す。
冬島として、日本全国に飛来してくる鳥です。この本に紹介されていないのは、庭仕事をしていると、すぐそばまでやって来るということです。私が庭を掘り起こして虫が出てくるのを待っている、というのでもありません。ともかく好奇心が強くて、「何してんの?」という感じで、わずか2メートルほどのところまで近寄ってきて、尾羽を下げて挨拶するのです。その仕草の可愛さといったら、ありません。
そして、スズメです。残念ながら、下の田圃で米つくりを止めてから、わが家に棲みつかなくなってしまいました。警戒心旺盛なので、決してなつきはしないのですが、小スズメたちの朝の騒がしさがなくなったのは淋しい限りです。
さらに、メジロです。梅やイチゴの木の蜜を吸いにやってきます。まさしく目白(めじろ)ですし、ウグイス餅の色をしています。
ウグイスは6月に入ってもまだ美声で鳴いていますが、その姿を見ることは珍しいです。本当に目立ちません。ウグイス餅の色をしていないからです。
世界中のきれいな鳥も紹介されています。私が唯一楽しみにみているテレビ番組「ダーウィンが来た」で紹介された鳥たちがたくさん登場します。
写真がたくさんあって、楽しい文庫本です。
(2017年4月刊。780円+税)
 共謀罪法の成立はひどいものでした。森友・加計における安倍首相による政治の「私物化」が国会でこれ以上追及されないように、会期を延長せず、徹夜国会で問答無用式に憲法違反の法律をまたもや成立させてしまいました。その手法は、いくら国会で多数議席を占めているとはいえ、ひど過ぎます。
 私は、その日、夢を見ていました。共謀罪が廃案になったというニュースを聞いて、幸せな気分で新聞を手にとって、ガク然としてしまいました。
 映画「母」をみました。小林多喜二の母セキの物語です。戦前の治安維持法の下、特高警察に惨殺(拷問死)させられた小林多喜二は、戦争のない日本を願って活動していたために権力から殺されました。今の日本が再び「戦前」になろうとしている気がしてなりません。

城をひとつ

カテゴリー:日本史(戦国)

(霧山昴)
著者 伊東 潤 、 出版  新潮社
「城をひとつ、お取りすればよろしいか」
これが本書の書き出しの一行です。うまいですね。憎いです。この本のタイトルにもなっていますが、ええっ、何、どうやって城を取るというの・・・。むらむらと湧いてくる好奇心に勝てません。
「江戸城を取るのは容易ではないぞ」
「容易かどうかは、入ってみねば分かりませぬ」
「間者(かんじゃ)は敵にばれたら殺されるが、貴殿はそれでも構わぬのか」
「命のひとつくらい懸けねば、皆さま方に信じてはもらえますまい」
小説の問答とはいえ、すごい状況ですよね。思わず息を吞んでしまいます。
城を取ると言ったのは大藤(だいとう)信基(のぶもと)。相手の殿様は、北条早雲の後継ぎ、北条氏綱。
今まで捕まった間者は顔色を読まれて捕まっている。つまり、自信をもってことにあたれば、恐れるものは何もないのだ。
江戸城内の権力抗争につけ入って、ついに内部崩壊させていく手口が鮮やかに描かれています。小気味よいものがあります。
信基は、義明の強固な自負心と年齢的な焦りを知り、その隙間に入り込み、自ら墓穴を掘らせることに成功した。その手法は見事なものです。
入込(いりこみ)とは、何者かに化けて敵や仮想敵の内部に入り込み、信用を得たうえで、味方に情報を流したり、撹乱工作をしたりすること。
戦国の時代、武士が商人に無法を働くことは極めて少ない。武力にものを言わせて商人から荷を奪えば、そのときは良くても、その武士は二度と交易ができない。必要な物資も情報も手に入らず、領内の経済が停滞し、自領でとれた米も、容易に売りさばけなくなる。
北条家中における大藤家の役割は、家伝の「入込」の技を使って相手の内部に入り込み、敵を撹乱することにある。
戦国小説の傑作の一つだと思いました。
(2017年3月刊。1600円+税)

「すずめ日誌」

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 熊谷 勝 、 出版  青青社
すずめの生態をとらえた写真集です。わが家にも、かつては2家族のすずめがいたのですが、すぐ下の田で稲作しなくなってから、姿を消してしまいました。朝、トイレに入ると、子スズメのせわしく可愛らしい鳴き声を聞くことが出来ていましたが、聞けなくなって楽しみが減りました。残念です。
庭にパンくずをまいても、前はすぐにすずめが群がっていましたが、今では2、3日、そのままのことがあります。たまにすずめ軍団が庭にやってくると、うれしくなります。
ふくらすずめ。冬のスズメはふっくらしていて、丸っこい。
スズメたちは、水浴びが大好き。冬、池の氷が少し溶けると、水浴びを始める。
スズメの砂浴びは、身体についたダニをとるため。
スズメは、休息していても、決してあたりへの警戒は緩めない。
焼鳥として食べられてきた長い歴史があるからでしょう。
スズメは、人間のすぐ近くで生活しながら、人間を以上に警戒します。そこがジョウビタキと完全に違います。
スズメの喧嘩は、けっこう激しい。そんな写真があります。そして、けんか相手に威圧されて、「参りました」と降参しているスズメの姿も写真にとられています。
オスは、お気に入りのメスや恋敵のオスに出会うと、尾羽を上げ、胸を張って自己主張する。
スズメの幼鳥たちは、独り立ちすると、幼鳥だけの群れをつくって夏を過ごす。
たくさんのスズメが群れをなして電線にとまっています。これは、幼鳥の集団だったのですね・・・。
知っているようで知らない、スズメの生態百態をとらえた写真集です。一見の価値があります。
(2017年1月刊。1600円+税)

異郷に散った若い命

カテゴリー:日本史(明治)

(霧山昴)
著者 高瀬 豊二 、 出版  オリオン舎
5月半ば群馬県にある富岡製糸場を見学してきました。世界遺産に登録されて見学者が急増したとのことでした。よく晴れた日曜日でしたが、大勢の小学生が教師に引率されて見学に来ていました。
広大な富岡製糸場の建物はよく保存されていて、一見の価値があります。一部の工場建屋では大がかりな復旧工事が進行中です。
官営富岡製糸場は、明治5年秋、フランス人指導者の下に開業した。欧米に比べてはるかに遅れていた日本の産業革命の夜明けを華やかに先端を切った画期的な工場だった。
ここで働く工女は、寄宿工女371人のうちの148人(40%)が士族出身者だった。
フランス人が赤いワインを飲むのを見て、若い娘を集めて生血を飲むのだと誤解して、応募者が少なかったという話が伝わっている。しかし、この話は疑問だ。フランスをふくめて外国人を知らない人が多い日本人が、ワインを外国人を飲むのを見たというはずはない。むしろ、これは、明治6年の徴兵令と、「血税一揆」ほうが関連しているのではないか・・・。
工女を出身別にみると、はじめは地元の群馬県出身者が多数を占めている。これに続いて、滋賀、長野、埼玉、東京、岐阜、愛知と続いている。明治14年ころからは、愛知、岐阜、大分など西南方面の人が増えている。
工女の死亡者は、明治9年から13年のあいだに集中し、明治13年の1年間に15人が亡くなっている。そして、死亡者は若い。最年少は、なんと9歳10ヶ月。最多が22歳までの17人で、次に20歳までの16人となっている。
富岡製糸所の募集要項は15歳から30歳までとなっていた。
9歳から10歳の少女たちが働いたということは小学生の年齢の工女たちがいたということです。むごいことですね。
有名な「ああ、野麦峠」は、岐阜県高山方面から長野県岡谷市の製糸工場に働きに来ていた工女が病気になって故郷に帰っていく(帰らされる)話です。
この本は墓石と過去帳で亡くなった女工たちの氏名となった女工たちの氏名と享年を明らかにしています。
日本の産業を底辺で支えて、人知れず若くして病死した女工たちの顕賞碑です。実に意義のある作業だと思いました。
官営富岡製糸所は明治26年に三井銀行の経営の移り、明治31年には工女230人のストライキがあった。そのあとの明治35年原合名会社に経営が移った。その後、片倉工業に移り、現在は、市営の施設となっている(ようです)。
私は生糸が出来る過程がようやく分かりました。今では全自動で出来るなんて、すごいことですね。
(2014年7月刊。926円+税)

中国経済を読み解く

カテゴリー:中国

(霧山昴)
著者 室井 秀太郎 、 出版  文眞堂
このところ中国へ旅行していませんが、北京や上海・大連には何回か行ったことがあります。その都度、どんどん超巨大都市になっていくのを目のあたりしました。
中国共産党による一党支配下にあるにせよ、「共産中国」などと呼ぶより資本主義を謳歌している国としか見れません。
シルクロードにも行きましたが、ウルムチも大都会だと思いました。重慶や北京、西安も、いずれも日本の東京に勝るとも劣らない巨大都市です。
この本は、日経新聞の記者として中国に常駐していた体験もふまえて、中国経済をみるときに欠かせない視点を提供しています。わずか150頁ほどの薄っぺらな本ですが、いくつかの大切な欠かせない視点が盛り込まれていて勉強になりました。
日本人は、中国経済が移行経済であることを、よく認識していない。
中国にも証券取引所があるが、地方政府に上場企業の枠を割り当てたことから、地方政府は、効率の悪い地方の国有企業を救済するために株式市場を利用した。株式市場は、成長性のある企業を育てる場はなく、赤字企業を救済する手段になっている。
株式市場では個人投資家が中心で、個別株式の値動きに着目して、短期的な売買で値上り益を確保しようとする行動をとることが多い。
中国の株式市場には、うさんくささが付きまとう。中国的な市場経済とは、あくまで「社会主義」の冠がかぶせられた、資本主義国のものとは異質のものだ。
都市と農村の実質的な所得格差は5~6倍もある。東部地域の1人あたりの平均可処分所得は2万8223元、中部地域は1万8442元と、東部の65%。そして西部地域は1万6868元で、東部の60%。
業種でみると、最高の金融業と最低の農・林・牧・漁業では3.6倍の差がある。
これらの格差は固定化する傾向にある。
中国では、土地は国有であり、土地そのものを売買することはできない。しかし、土地の使用権は売買できる。そこで、地方政府は、農民から安い価格で収用した土地の使用権を不動産開発会社に高く売却して、差額を得ている。
インテリやマスコミ関係者のあいだでは共産党が求心力を失っている。
アメリカは、中国の最大の輸出先である。2015年の中国のアメリカ向け輸出は4095億ドルで、中国の輸出の18%を占めた。そして、中国のアメリカからの輸入は1487億ドルで、輸入全体の8.8%を占める。つまり、輸入額は輸出額の3分の1でしかない。
中国の外貨準備は3兆ドルを維持しており、日本の外貨準備の3倍。
外貨準備の大半はドルで運用されている。なかでも、アメリカの国債の保有額は1兆ドルを超えており、中国は世界最大のアメリカ国債保有国である。
中国にとって、ドルの価値が低下すると、外貨準備が目減りしてしまうという問題がある。中国はアメリカとの貿易で黒字をため込み、蓄積された外貨でアメリカの国債を購入してアメリカの借金を支えているという相互依存関係ができあがっている。
習近平は、毛沢東を除くと、新中国の歴史上初めての後ろ盾をもたない共産党トップである。このため習近平は、就任直後から、自らの立場を正当化する必要に迫られた。そこで習近平が実行したのは、反腐敗闘争の推進と、自らへの権力の集中と、宣伝の強化である。
北朝鮮の金正恩政権がいつまでもつのか、はなはだ疑問ですが、中国共産党による一党支配だって、その内実は危いようです。しかし、ひるがえって、わが日本はどうでしょうか。「一強多弱」と言われる安倍政権だって、もろいものだと思います。加計学園はひどいものですし、森友学園問題だって、まだまだ収拾したはずはありませんし・・・。
(2017年1月刊。1600円+税)

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