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カテゴリー: 生物

サイボーグ昆虫、フェロモンを追う

カテゴリー:生物

著者  神崎 亮平 、 出版  岩波科学ライブラリー
 ゴキブリが素早く逃げられるのは、弱い風を尾葉で感じるから。この尾葉は、ゴキブリのお尻に、触角より短いが、一対の突起がある。尾葉には、たくさんの毛が生えている、わずかな風で、この毛が動き、ゴキブリは敵が来たことを察知して逃げる。人間は、刺激を受けて反応するまで0.2秒かかるけれど、ゴキブリは0.02秒で反応する。人間よりも10倍速い。
 ゴキブリは中生代のはじめ、2億5000万年前に地球上にあらわれ、現在に至るまで姿形をほとんど変えずに生きながらえている。
 ミツバチは秒間に300回もの光の点滅を見ることができる。人間は1秒間に50回の点滅しか区別できない。
 昆虫は空気の粘性(ネバネバ感)を感じる。人間は感じることができない。
昆虫は、レンズの焦点距離の問題を解決するため、直径が0.03ミリほど小さなレンズからなる眼(個眼)をつくり出した。これだと焦点距離は短くてすみ、小さな眼として機能する。レンズの直径を5ミリとする眼にしたら、レンズの焦点距離も5ミリとなり、焦点が結ばれるところが頭からはみ出てしまう。
カイコガのフェロモンの発見には、日本が大きく貢献した。研究に使われたカイコガは当時、養蚕業が盛んだった日本からドイツに送られたものだった。100万匹ものカイコが送られ、そのうちのメス50万匹を使って12ミリグラムの化学物質が結晶として単離された。
 カイコガは、脳で複雑な判断をするのではなく、直進、ジグザグターン、回転という行動ターンを、臭いの分布状態に応じて繰り返すことで、匂いの源の探索に成功している。
 カイコガ(成虫)の寿命は1週間だが、頭を切りとっても1週間は羽ばたいたり、歩いたりできる。昆虫は、胸部のみ、つまり胸部神経節があれば、リズミカルな羽ばたきを起こすことができる。歩行も同じ。
昆虫のもつ優れたセンサーや神経系の機能を分析し、理解し、活用することが少しずつ出来るようになってきた。
 その結果、6脚で歩行するロボット、コオロギのオスが鳴き声で呼び寄せる仕組みから音源を探し出すロボット、昆虫が複眼を用いて障害物を回避する仕組みを使った衝突回避ロボット、さらには、オスのガがメスをフェロモンの匂いをたよりに探し出す仕組みをつかった匂い源探索ロボットなどが試作されている。また、昆虫の嗅覚受容体(タンパク質)をそのまま使った匂いセンサーもつくられるようになった。
 昆虫のスーパー能力を解明して、それをロボット技術に応用・開発しているというのです。すごい話だと思いました。
(2014年7月刊。1200円+税)

謎の蝶アサギマダラ・・・

カテゴリー:生物

著者  栗田 昌裕 、 出版  PHP
 アサギマダラは、謎の魅力に満ちた蝶だ。
 アサギマダラは、大草原を渡って、200キロもの長距離を旅している。
 そのことが分かったのは、1980年初頭のこと。
 著者は、東大医学部を卒業した内科医です。ところが、アサギマダラの研究家でもあるのです。なにしろ、年間1万頭ものアサギマダラを捕まえては放すのを目標とし、これまでの10年間で14万頭ものアサギマダラにマーキングしたというのです。信じられないほどにすごい数です。そして、自分がマーキングした蝶に、別の場所で何度も出会ったのでした。いやはや、信じられませんね・・・。
 アサギマダラは、タラハチョウ科マダラチョウ亜科のチョウで、体重は0.5グラム以下、長さは5~6センチ。アゲハチョウほどの大きさ。
 有毒の草を食べ、体内に毒を蓄える。
 海と国境を越えて定期的に渡る蝶は世界に一種、このアサギマダラのみ。
タオルを蝶の目の前で振り回すと、いつまでもついて来る。
 アサギマダラは手づかみで捕獲できる。翅には鱗粉がないので、手で持ちやすい。
 捕獲して、マーキングして放してやると、全国のどこかで1~2%は再捕獲される。
アサギマダラには、人や物体に不思議な執着心を示す個体がいる。
 不思議な蝶ですね。一度つかまえてみたいものです。そして、そのマーキングされているのを見てみたいと思いました。
(2014年9月刊。1800円+税)

やさい学園(1)

カテゴリー:生物

著者  前原 三十日 、 出版  秋田書店
 いやあ、面白くて、勉強になるマンガ本です。著者は大牟田市出身とのことです。
 やさい学園というから、何の話だろうと思うと、野菜たちが主人公なのです。
 立派な野菜になるべく、日々、勉学に勤しんでいる、いろんな野菜が擬人化して登場します。主人公は、恥ずかしがり屋のシイタケ。ハラタケ目キシメジ科だ。
当学園では、完璧な野菜になるべく、さまざまな知識を学び、どこに出しても恥ずかしくない、立派な野菜に育てる。
 ここに、入学したからには、悔いのないよう、目標の料理に合うような野菜に育ってほしい。シイタケの旬(しゅん)は春と秋。春は身が締まってうまみがあり、「春子」と呼ばれ、秋は香りが良く、「秋子」と呼ばれている。
 基本は四コマ・マンガなのですが、ちゃんと学園ものとしてのストーリーがあって笑わせるのです。そして、野菜のことが、笑っているうちに身についていくという、大変なマンガ本なのです。
 ぜひ、あなたも手にとって(買って)読んでみてください。
(2014年9月刊。429円+税)

イモムシのふしぎ

カテゴリー:生物

著者  森 昭彦 、 出版  サイエンズ・アイ新書
 世の中の大きな不思議の一つが、イモムシがチョウになるっていうことですよね。いったい、どうして、あの葉っぱにへばりついている丸々したイモムシが大変身して、空をひらひらと飛ぶようになるのでしょうか・・・。万能の創造主の神様だとしたら、何もそんなまわりくどい発想をしなくても良さそうではありませんか。
 この本には、いろんな色と形と機能をもったイモムシがたくさんのカラー写真で紹介されています。不思議、フシギのオンパレードです。
 シジミチョウ科のウラギンシジミは、刺激を受けると、お尻の煙突から大きなホウキをにゅっと出し、掃き掃除をするように振り回す。
 その写真があります。タンポポの穂みたいなものを出しています。不思議というより、奇怪です。そのうえ、アリと交信するためか、ひっきりなしにお腹をこすって音を出しているとのこと。
シロチョウ科のキタキチョウは、放糞器をもっている。お尻からフンを放出する。飼育ケースで飼っていると、フンがピシッとかカツンとか音がして、うるさいほど。これは、自分の現在地を知られないようにするための撹乱戦法。うひゃあ、そんな芸当もするのですか・・・。
 はるばる海を渡る空の旅人、アサギマダラは、毒蝶。毒物を貯蔵することで、スタミナを蓄えた毒蝶となり、壮大な移動生活を堪能できるようになった。ふむふむ、そうなんですか。
 ヤママユガ科のウスタビガは、指で軽くつまむと、鳴き声を奏でる。それは、悲鳴なのか、怒号なのか・・・。そしてマユづくりをはじめるときには、「きゅうきゅう」と鼻歌をうたい出す。
そして、なんと、イモムシは美味しく食べられるというのです。
 シンジュサンは、幼虫はゆでてポン酢ジュレで食べる。小松菜の白和えを思わせ食べやすく美味。
 エビガラスズメは、サナギをゆでてポン酢で食べる。青大豆のトーフを思わせ、さわやかでクリーミーな食感。
モンクロシャチホコは、桜の香り、肉質のうま味。外皮の弾力と、どれをとっても最高。クセがないので、初心者にオススメ。
 ヒメヤママユは、毛が柔らかく、もずくのような食感で、とても心地が良い。
 ナミアゲハは、柑橘系の香りがしたり、山椒の芳香がしたりする。とても風味がいい。
 写真がついていますが、もちろん、みな、丸々としたイモムシです。これを食べて美味しいと叫んでいる女優さんを一度見てみたいものです。私は、そのあとにします。いくら食糧難(危機)といっても、ものには順序というものがありますので・・・。
 イモムシに関心のある人のほか、ゲテモノ食い好きの人にも、おすすめの本です。
(2014年8月刊。1200円+税)

動物が教えてくれた人生で大切なこと

カテゴリー:生物

著者  小菅 正夫 、 出版  河出書房新社
 旭山動物園の前園長による本です。私と同世代の著者は、獣医師として旭山動物園に就職し、今では日本有数の動物園となった旭山動物園の中興の祖となりました。
 オオカミはペアリングがうまくいくと、一生を添いとげ、決して別れることがない。ただし、夫婦となる衝動がない限り、妥協してペアリングになることはない。そして、それは出会った瞬間に「縁」を感じとることがあるようだ。
 これって、人間に似てもいますし、まったく似てもいないといえますね。一目ぼれは、人間にもありますが、人間社会では「不倫」、離婚はあたりまえですからね・・・。
仲の良いオシドリ夫婦とよく言われますが、実は、オシドリは一夫一妻制どころか、乱婚制なのである。
野生のチンパンジーの雄同士は、グルーミングによって協力関係を維持している。
ゴリラは、近親交配を避けるため、幼いころから一緒に育ったオスとメスはお互いを避けあう習性を持っている。
カバ同士は、口を大きく開けたほうが勝ち。
「カバさんの歯磨きイベント」で、カバが大きく口を開けるのは、目の前になんか大きなものがあると、とりあえず自分の口を大きく開けて、「自分のほうが大きい」と自己主張しているということ。そのとき、開いた口に歯ブラシをあててこすっているだけ。
サルのメスは、α(アルファ)オスと儀礼的な交尾はするが、妊娠の可能性を自覚すると、自分の好みのオスと交尾してそのオスの遺伝子をもった子を妊娠している。うひゃあ、ですね。
チンパンジーは、人の心の動きを読みとって行動する。あるとき、著者が仲間と夕食を一緒にとる約束をしたら、チンパンジーの一頭が著者の言うことを聞かなくなった。からかったのです。
 動物は、相手の顔つき、声、におい、殺気などを総合して、相手の心を読むことができる。
 チンパンジーは、人間に育てられると、チンパンジーには育たない。チンパンジーは交尾するのにも学習が必要。群れのなかで育たないと交尾は出来ない。
 戦前の日本にあった動物園は全国にわずか16。それが、戦後、もっと多いときに98園あり、今では87園になっている。今、ゾウのいない動物園が増えている。そうなんです。私のすむ町にある動物園でも、先日、ゾウが死んだあと、結局、よそから入れることは出来ませんでした。
 これは、動物園の怠慢が原因だと著者が激しく批判します。つまり、オスとメスをペアにして飼わなかった、その努力をせずに一頭のみ飼う動物園が多かったということです。そうなんですね・・・。今や、ゾウは絶滅危惧種なのである。
 さすがに動物の生態を詳しく、よくつかんで紹介している本です。
(2014年8月刊。1400円+税)

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