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カテゴリー: 生物

微生物が地球をつくった

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者  ポール・G・フォーコウスキー 、 出版  青土社
微生物は地球上で最古の自己複製する生物なのに、見つかったのは最後で、ほとんどのあいだ知られていなかった。
地球の生命の圧倒的多数は微生物だ。細菌の種は、動物と植物とをすべて合わせた種の数より、はるかに多い。その数は、少なくとも何百万種にもなる。
 生命は電気的勾配を用いてエネルギーを生成する。生命はエネルギーを使って電気勾配を生み出す。要するにすべての生物は電気発生装置だ。陽子のようなイオンを膜ごしに移動させ、それぞれの電気勾配を生成する。陽子と電子の元は水素だ。水素は宇宙に一番豊富にある元素である。電気勾配は膜を必要とする。これがないと、陽子などのイオンの濃度差もなく、したがってATPをつくるエネルギー源もない。
 共役因子と呼ばれるナノマシンは、膜の内側にまたがる文字どおり超小型モーターである。その基本的な造りは極微のメリーゴーランドのようなものだ。
 光合成の過程は、ほとんど魔法のようだ。光合成では、光は特定の分子、たいていは葉緑素という緑の色素に吸収される。特定の葉緑素分子が特定の波長、つまり特定の色の光を吸収することが、化学反応をもたらす、反応中心に収まった一個の特定の葉緑素分子が光子からエネルギーを吸収するとき、光子のエネルギーは、葉緑素分子から電子を一個押し出すことができる。およそ10億分の1秒のあいだ、葉緑素分子は、正(せい)に帯電することになる。
 光のエネルギーは、葉緑素分子から、たんぱく質複合体の提供側から需要側へと電子を押す。その結果、10億分の1秒のあいだ、正電荷をもった分子と負電荷をもった分子がタンパク質の足場にあり、両者は10億分の1メートルの距離で隔てられている。正電荷は負電荷を引き寄せる。タンパク質の足場は実際には電荷の引力のせいでわずかに崩れ、そうなると圧力波が生じる。圧力波は両手を叩くようなものだ。反応中心が電子を動かすたびに、両者はミクロの拍手となり、非常に高密度のマイクなら文字どおり検出できるような音を立てる。この現象は光音響効果と呼ばれる。ベルは、この効果をつかって光から音波を生成し、光電波という、音を伝える装置をつくった。光のエネルギーの約50%が反応中心の電気エネルギーに変換される。
最初の光合成をする微生物は嫌気性だった。つまり水を分解することができなかった。微生物が水を分解する能力を進化させるには数億年がかかった。
酸素は、地球の大気に独特のものだ。24億年前の地球には、植物も動物もいなかった。微生物しかいなかった。酸素は光合成作用の廃棄物だ。地球は、光合成によって水分解サイクルを回して酸素をつくり、呼吸によって水の清算を行うのだ。酸素は相手かまわず反応し、単独でいることを好まない。非常に反応性の高い分子で、多くの金属など他の元素と科学的に結合する。
 人間が呼吸する酸素は、恐らく100万年前につくられて、大気圏のおかげで遠くから運ばれてきた。遠い昔、植物や植物プランクトンが、地球のどこかであなたが今呼吸している酸素を生み出した。
遺伝子の伝達の間違いは、すべての生物のすべての遺伝子に、絶えず自然発生的に生じていて、場合によっては利益になることもある。絶えず生じているランダムな間違いが、遺伝子に厖大な多様性をもたらす。その多様性のほとんどすべてが微生物にある。
10の24乗の微生物が生きている。
日本人の腸内微生物は、改葬の消化を助ける遺伝子をもっている。その遺伝子は、白人の腸内微生物には見当たらない。人間の腸にいる微生物の総数は、体の細胞の総数の10倍ほどである。腸内微生物は、人間の代わりにビタミンをつくってくれる。
アメリカで消費される抗生物質の80%は、家畜生産のために使われている。そして、多くの微生物が普通の抗生物質には、免疫になっている。有毒の微生物が人間に対する反転攻勢を始めている。
微生物を知らないと、人間そして生命を知ることは出来ないということのようです。
               (2015年10月刊。2300円+税)

ねこはすごい

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者  山根 明弘 、 出版  朝日新書
私は根っからの犬派です。でも、猫にも関心はあります。
日本人は世界有数の「ねこ好き」国民である。日本は「ねこ文化大国」で、日本人ほど猫好きな民族は他に存在しない。日本のどんな大都市にも路地に入ると、そこにあたり前のようにノラ猫が暮らしている。町には「ねこ」がデザインされた服や小物を身につけた子どもや女性があふれ、店に入ると何かしらの「ねこグッズ」が売られていて、書店には、ねこの写真集コーナーまである。こんな猫まみれの光景はヨーロッパではありえない。
たしかに、フランスでは犬を見かけることは多くても、猫はほとんど見たことがありません。ねこの身体の「つよさ」は、一にも二にも瞬発力があること。
ねこの最高速度は時速50キロ。
ねこは、自分の身体の5倍の高さ、1.5メートルへ、助走なしで飛び乗ることができる。ねこの背骨は、180度以上、身体をよじることができる。関節がとても柔らかい。
ねこの歯は上下あわせて30本しかない。犬は42本。ねこは、かむ力を強力にするため、骨や筋肉の構造上、あごを短くする必要があった。ねこの犬歯(牙)は、獲物を仕留めるためのなくてはならない武器。ねこの歯は、犬歯で獲物を殺し、裂肉歯によって殺した獲物から肉片を切り取るという二つの機能に特化している。
ねこは、ツメ研ぎによって、古いツメ先の屑を離脱させて、新しく尖ったツメ先に更新している。
ねこの指の間には、ニオイを出す臭腺があり、ツメ跡と同時に自分のニオイをそこに残していく。
ねこは妊娠してから2ヶ月後で出産する。
ねこは、人間がものを見ることのできる限界の6分の1の光景でも、ものが見える。ねこの瞳孔は、最大直径14ミリにまで拡げることができる。ねこは、暗闇でものが見えるように進化したが、他方で、色の識別は難しくなった。
ねこの視力自体はあまり良くはない。ねこには赤色は見えていない。ねこにとって、色など、どうでもいいこと。
ねこの聴力はすごくて、人間の5倍もある。
ねこの耳がピンと立って正面を向いているときは、気分的に安定した正常状態である。母ねこと子ねこは、お互いに声を聞き分けている。
ねこは、犬には少し及ばないが、臭覚においても非常に優れている。ねこの臭い尿は、狩りのうまい、強いオスの証しである。
日本に猫が渡ってきたのは、平安時代初期(1200~1300年前)のこと。中国からもたらされた猫は「唐猫」として、大切に扱われていた。それよりもっと古い、1400年前の飛鳥時代のころ。
飼いねこは、平均すると15歳までは生きている。
ねこが殺処分されるのは、平成25年度に8万匹。ただし、年々減少の傾向にある。
ノラ猫には食べ物をやってはいけない。著者は何回も強調しています。まったく同感です。ねこをさらに少し知ることが出来ました。
(2016年3月刊。760円+税)

鳥たちの博物誌

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者  デイヴィド・ターナー 、 出版  悠書館
わが家の庭に来る鳥は、一番にヒヨドリです。我が物顔でやって来ます。それでも、スモークツリーの木に巣をつくっていて(気がつきませんでした)、蛇にヒヨドリのヒナたち(2羽)が食べられてしまったのは痛恨の極みでした。冬はビョウビタキ、春はウグイス、そしてメジロです。ほかにも、名前の分らない小鳥が何種類もやって来ます。カササギはたまに来ますし、生ゴミあさりのカラスはしぶとい敵になります。カササギはビックリグミの木の頂上付近に巣をつくっただけでした。
渡り鳥のなかで、もっとも長い距離を飛んでいるのがキョクアジサシ。イギリスの夏のあいだにグリーンランドで繁殖し、南極大陸付近でイギリスの冬を過ごす。20年も生きるとしたら、生涯に80万キロを飛ぶことになる。どうして、こんな長距離の「渡り」をするのか。それは、一年に夏を2度も過ごせるということ。
北アメリカに住むスグロアメリカムシクイは、夏の終わりに強力な貿易風を利用して、わずか4日間で南アメリカに到着する。
島の糞から成るグアノは、数千年にわたって厚さ90メートルもの層を築きあげた。
アホウドリは、最適のエサ場を求めて、ある方向に平気で1600キロも行き、また1600キロも戻ってくる。
海鳥は長生きする。これまでに記録された野鳥のなかで、もっとも長生きだったのはシロアホウドリで、58歳だった。その年でも、まだ産卵していた。
ハヤブサには、空ばかりではなく陸上でも、水中でも、かなう生物はいない。急降下するときには、時速108キロを出した記録がある。ハヤブサが減少したのは、農薬のせいだろう。
鳥は歌います。上手です。わが家に毎年やってくるウグイスは、2月初めころは、いかにも下手です。ところが、3月初めのころになると、姿こそ見えませんが、堂々と歌っています。
ウタツグミは、何でも2回を大声で歌うという奇妙な習性がある。
尻尾をチョンチョンと振りながら人間に近づいてくるジョウビタキの愛らしさは最高です。
年をとった鳥ほど、若い鳥より歌がうまい。幼鳥は、1ヶ月で1とおりの鳴き声を覚える。そして、鳥類の歌にも、方言がある。
小鳥のことを、さらに少しだけ認識することができました。
(2016年4月刊。2000円+税)

なぜニワトリは毎日卵を産むのか

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者  森 誠 、 出版  こぶし書房
私と同世代の農業博士です。ニワトリの専門家でもありますから、ニワトリをめぐる面白い話が満載の本です。
なま卵を食べるのは日本だけ。それだけ、日本の卵は安全なのでしょうが、驚きますよね・・・。古代ローマ人は、なま卵に穴をあけて、寝転がって中身をすすっていた。ちなみに、キリストの最後の晩餐でも、使徒たちはテーブルに向かってイスに座っていたのではなく、臥台に寝そべっていた。それが当時の風習(習慣)だったのです。
バイオリニストの先住真理子は、毎朝、3~6個のなま卵を呑む。これが彼女のスタミナ源。私も、おでんには卵がほしいと思いますが、毎日、なま卵という感じではありません。
温泉玉子とかたゆで玉子の違いを識りました。かたゆで玉子は、白身も黄身も固くなっています。それに対して、温泉玉子は、黄身は固まるけれど、白身は固まらない温度である70度のお湯に30分ほどつけておくと出来上がる。この温泉玉子も、日本独特のもの。ガイジンは半熟玉子を好む。
 フランスはモンサン・ミッシェルにある有名なレストランでオムレツを食べたことがあります。泡立てた卵を使って厚さが10センチにもなるものです。このときは、卵を銅製のボールで力一杯泡立てるのです。この銅イオンのおかげで、泡が安定するのだそうです。ですから、見かけこそ巨大オムレツですが、実は、一人前なんてペロリと食べることができます。食べ過ぎの心配は無用なのです。ぜひ、一度、ためしてみてください。
ニワトリは、1日に1個以上の卵は産まない。
日本人は、江戸時代は卵は食べても、ニワトリはあまり食べなかったようです。明治のはじめに東北地方を旅行したイギリス女性のエザべㇻ・バードは、結局、ニワトリを食べることはなかったと旅行記に書いています。
江戸時代の日本人は、動物の肉をおおっぴらに食べることはなかった。それで、鶏肉をカシワと呼び、猪肉はボタン、鹿肉をモミジと呼んだ。馬肉はサクラだ。
江戸時代の日本で、鶴は最高のごちそうだった。しかし、さすがの中国人も鶴は食べていない。なぜか・・・?つまり、鶴はまずいから。なーるほどですね。
ニワトリにまつわる興味深い話が満載の本でした。
(2015年12月刊。2000円+税)

植物はすごい、七不思議篇

カテゴリー:生物

(霧山昴)
著者 田中  修 、 出版  中公新書
 春は、なんといってもチューリップと桜です。チューリップは昔ながらの色と形、桜はソメイヨシノのピンクですよね。
桜の開花宣言が、九州より東京のほうが早いことが多いのはなぜなのか・・・。
開花宣言は、標本木として定められている木に、わずか5~6輪の花が咲いたときに出される。実際に満開となるのは、それから一週間くらいしてからのこと。
桜は、冬にきびしい寒さを感じなければ、春の暖かさを感じても開花が遅れてしまう。九州では冬でも暖かいので、春の暖かさに敏感に反応せず、開花が遅れてしまう。東京の桜は寒さがきびしいので、春の暖かさに敏感に反応して早く開花する。なーんだ、そういうことだったのですか・・・。
 北海道で、梅と桜の花が同時に咲くのは、梅の花が全国的にほぼ同じ気温(6~9度)で咲くから。梅の花が咲いた頃、北海道でも厳しい冬の寒さから少し暖かくなったと桜が感じるので花を咲かせる。
アサガオの花が夏に早朝から咲くのは、暗さを感じはじめて10時間後に咲くという習性があるから。10時間後に真っ暗な箱に入れられていても、アサガオは花を咲かす。
ゴーヤの果実の表面にブツブツがあるのは、このデコボコによって影をつくり、太陽の光が実全体に直接あたらないようにしている。強すぎる光があたると、かえって種に害を与える有害な物質が発生する。
植物の不思議な行動がとても分かりやすく解明されていました。
(2015年8月刊。820円+税)

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