法律相談センター検索 弁護士検索
カテゴリー: アフリカ

アフリカの風に吹かれて

カテゴリー:アフリカ

著者   藤沢 伸子 、 出版   原書房 
 なんだか気楽なタイトルですが、読みはじめると、アフリカ大陸の国々は依然として深刻な状況におかれていることがよく伝わってきます。そして厳しい自然と社会環境のなかでも日本人女性がたくましく活動しているのです。それを知ると、頭が下がります。
スーダンという国は南と北で人々が違うというのをはじめて知りました。南スーダン人は肌がとても黒く、顔も北部の人々にくらべると平面的。それに比して、北スーダン人はアラブ系で彫りが深く褐色の肌の色をしている。
 アフリカの女性は、髪のオシャレにこだわりがある。しかし、髪型にこれるというのも経済力のあかしだ。
 南スーダンの多くの家庭では男の子に教育の機会を与えても、女の子の教育にはまったく力を入れない。小学校を卒業した女性は1%ほどしかいない。女性が教育を受けられない理由のひとつに早婚の習慣がある。場合によっては、わずか7、8歳でヨメに行かされることもあるし、生まれたばかりの乳児が婚約させられることもある。
結婚しないで女性が一人で生きていこうとすると、所得者がいないから好きに扱っていいと思われて、レイプの被害にあう危険がある。うひゃあ、それは困りますね・・・。
日本のJICAが地域改善活動でボランティアを募集すると、活動に参加していると、この先、日本人が何か職をあてがってくれるかもしれないという根拠のない、しかし切実な期待をもつ人々が集まってくる。なーるほど、難しいところですね。
どれほど目的が崇高でも、手段を間違えると、マイナスの影響のほうが大きくなることがある。信頼してまかせきっていた人間に手ひどく裏切られるというのは、アフリカで仕事をしていくうえでの、一種の通過儀礼のようなものである。
 サンビアでは全国民の5人に1人がHIVに感染し、多くの人が家族や友人を亡くし、また自らも感染の恐怖におびえている。
 日本のNGO団体が、日本人ではなく途上国出身の医師を派遣する理由は、人件費が安いこともあるが、施設や機材のととのった病院勤務に慣れた先進国出身の医師では、限られた条件の環境で聴診器と血圧計のみで診察するのは厳しいことがあるからだ。
 エチオピア人は、もともと勤勉でアフリカで唯一独自の文字を持つ国民としての誇りをもっている。
 ここで働いていると、いつのまにか難民を厄介な人々の集団としてしか見られなくなる。彼らのやむことのない要求や不満にうんざりもする。でも、そのなかには、こたえてあげなければいけない、まっとうなものだっていくつもある。
 アフリカのなかでの活動というのは、まさに自らの人間性をためされ、生きる目的を考えさせられるものだということがよく分かる本です。
(2012年7月刊。1800円+税)

国家救援医

カテゴリー:アフリカ

著者   國井 修 、 出版   角川書店
 世界中の無医地区に出向いた日本人医師のすさまじい体験記です。こうしてみると、日本人の男子も、なかなか捨てたものではありません。これまで日本人女性の海外での活躍ばかり目立っていましたが(なでしこジャパンも)、日本人男性もやりますね。著者の大活躍に、心から拍手と声援を送ります。
 1962年生まれということですから、ちょうど50歳。まさに働き盛りの医師です。
 ユニセフ(国連児童基金)の医師として世界中を駆けめぐり、これまで110ヶ国で医療活動に従事してきたそうです。いやはや、超人的な経歴です。
私がこの本を読んでもっとも驚いたことの一つは、人道援助のつもりで送られた粉ミルクが現地の子どもたちの生命を奪っているということです。
飢餓で栄養不足の子どもがいることを知って、粉ミルクを送りたいと思うのは人々の善意からです。ところが、粉ミルクを溶かす水に問題があります。殺菌のために水を湧かせばいいのですが、災害現場には煮沸する手段・道具がありません。乾燥した粉ミルクでさえ細菌は繁殖できるのです。まして、汚染された水を粉ミルクに混ぜたらどうなるか。汚い水に混ぜて作ったミルクを子どもたちに与え、そこで残ったミルクを暑い環境に放置して、数時間後、また翌日飲ませたらどうなるか。さらに哺乳瓶や乳首を消毒もせずに使い続けると、どうなるか。うひょう、こ、こわいです・・・。
 その結果として、粉ミルクを使用した子どもは母乳保育児に比べて、死亡率がとても高い。そこで、ユニセフは、援助物資として粉ミルクを供与しないようにした。うへーっ、そうなんですか、ちっとも知りませんでした。善意が仇(あだ)になるという典型ですよね、これって・・・。
 著者は若い人たちについてきて欲しいと訴えています。日本の若者たちに、福島そして世界各地の病める人々のいるところに次々に飛び込んでいってほしいなと私も思いました。
(2012年1月刊。1400円+税)

中東民衆革命の真実

カテゴリー:アフリカ

著者   田原 牧 、 出版   集英社新書
 2011年2月、アラブの大国エジプトで革命が成功した。30年間にわたってこの国を統治してきたムバラク政権が民衆のデモによって倒された。
 エジプトの人口は国連統計で8400万人。実際はもっと多い。24歳以下の人口が半数をこえる。これって暑い国では人は長生きできないっていうことかしらん・・・?
 15歳から24歳までの85%は字が読めるものの、国民全体の非識字率は3割を超える。その人々にとってはフェイスブックは無用の長物だ。
 エジプト人は物知り顔で、見栄張りだ。一般にエジプト人は「口から生まれる」と言われるほどよくしゃべる。
 エジプトの失業率は9%。しかし15歳から24歳までをみると33%にもなる。1日2ドル以下で暮らす人が人口の2割いる。
エジプトはイスラエルと平和条約を結んでいるが、大半のエジプト人はイスラエル人を嫌っている。和平の現実は「冷たい平和」である。
 再びイスラエルと戦争したいというエジプト人は、まずいない。軍事的にも勝てる見込みは薄い。だから、エジプトの平和は屈辱によって支えられている。ところが、エジプトはイスラエルの電力施設が必要とする天然ガスの45%を供給している。矛盾ですね。
 エジプトには、複数の治安機関に100万人をこす職員がいると言われてきた。不当逮捕、拷問、こうした機関に支えられた政権は西欧の基準からいうと、独裁体制以外の何者でもない。
 ムバラク大統領は30年間の統治の間に、自らの腹心たちを軍から次第に内務官僚、政権与党に移していた。この変節が生んだ両者の隙間が、軍により自由な選択を許したといえる。
 エジプト軍は、単なる武力集団ではない。エジプトの反体制運動の主役だったイスラーム主義者たち、とりわけ急進主義者たちは革命前夜どうしていたか。結論をいえば、昔日の影響力を失い、社会の片隅で沈黙していた。
 これまでアメリカに追随してきたチュニジア、エジプトの独裁政権が倒れてしまった。アメリカの存在感は著しく凋落している。アメリカの対テロ特殊機関が捕まえたイスラム過激派をこっそりエジプトの移送し、ムバラク傘下の治安機関で拷問にかけるような秘密工作が横行していた。しかし、これからはそんな無茶は通らなくなるだろう。
 1979年のイラン革命以来、30年間のアメリカの中東戦略は、戦略と呼ぶには、あまりに場当たり的で、お粗末である。
 エジプト革命の実現について、現場からのレポートの一つとして興味深く読みました。中東も大きく変わりつつあります。日本も早く変えたいものです。
(2011年7月刊。760円+税)

アフリカ四半世紀の物語を撮る

カテゴリー:アフリカ

著者   中野智明   、 出版  つげ書房新社 
 かつて希望の国であり、一転して悲劇の国となって、今ようやく復興へ歩き出している。そんなイメージのあるアフリカの四半世紀が写真で紹介されています。
子どもたちの生き生きとした表情と笑顔は救いです。片腕を切り落とされた幼女を見ると切なくなってしまいました。
奴隷労働を幼いときから強いられる子どもたち、そして人殺しを仕事とする少年兵たち、本当にむごいことです。子どもたちの豊かな可能性をすべて奪い去るのですから・・・・。森のゴリラたちを殺し、それを食べるパワーが得られると信じて密猟者に注文する政府高官が少なくないという。ゴリラが絶滅したら大変だなんて思う余裕がないのでしょう・・・・。
黒人奴隷の積み出し港がセネガルのゴレ島にある。そこにある「奴隷の館」では、アメリカからの黒人旅行団が入ると入り口が閉ざされる。旅行客がガイドの説明を聞いて涙を流しているときに、その場にいた白人観光客が笑い声をあげ、けんかになったことがあってからの措置だという。黒人奴隷の積み出し港で笑い声をあげるなんて白人の無神経さには呆れ、怒りすら覚えます。
しかし、その次の話はもっと衝撃的でした。アフリカの黒人を奴隷として白人に売り飛ばしたのは、実は黒人有力者だったのです。敵対部族が捕虜を売り飛ばしたこともあったようです。ですから、アメリカからアフリカにやって来た黒人たちは、祖先を白人に売り渡したアフリカ人を許していないのかもしれない、というのです。アメリカの黒人たちはセネガルの現地の人々と距離を置き、警戒しているようだというのです。
アフリカが変われば地球が変わると思いますが、そうなるにはまだなかなか時間がかかりそうで大変だと思いました。
(2011年3月刊。2000円+税)

ソコトラ島

カテゴリー:アフリカ

著者 新開 正、新開 美津子  、 出版 彩図社
 
 ええっ、こんな島があったの・・・・。そう思ってしまいました。世にも不思議な島というのは、まったくもってそのとおりです。インド洋のガラパゴスといわれているそうですが、なるほどと納得できる写真集です。
 イエメンの南東の海上にある小さな島です。ユネスコの世界自然遺産にも登録されています。年間降水量250ミリという極端に乾燥した大地ですから、そこに自生する生き物はみんな乾燥に強いものばかりです。
 バオバブの木に似て、幹に水を貯められる、ぷっくらお腹の木もあります。和傘を逆さにした木は竜血樹です。薬や着色剤として珍重されてきたということです。傘のような形の樹冠になっているのは、空中の水分を効率的に補足できるからだといいます。それほど、雨が少ないということなのです。そして、竜血樹には年輪がなく、繊維が詰まっているのです。不思議な木です。
 ボトルツリーとかキュウリの木とかいうのは、バオバブそっくりです。とっくり形の幹に水を貯めているのですね。そして、その太った幹から葉が出て、花が咲くのです。みんな面白い形をしています。
 アロエも変わった形です。アレキサンダー大王が、アリストテレスの助言を受けて、ここのアロエを入手するため、ソコトラ島を占領したというのです。本当なのでしょうか・・・・。
 こんな変わった島にも人々が住み、生活しています。ラクダもいます。ソ連の軍事基地が置かれていたこともあって、F34戦車の残骸まであるのです。これにも驚きました。
大きな洞窟があります。4万人あまりが生活するソコトラ島にリピーターで渡った日本人夫妻の写真集です。知らない世界は多いものですね。
(2010年12月刊。1600円+税)

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

Copyright©2011-2025 FukuokakenBengoshikai. All rights reserved.